錦織、3時間53分の激闘で敗戦も手応え「今までの中で一番いい試合」

[ 2020年10月2日 05:30 ]

テニス全仏オープン第4日   男子シングルス2回戦 ( 2020年9月30日    パリ・ローランギャロス )

男子テニスの錦織圭(AP)
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 男子シングルス2回戦で昨年8強の錦織圭(30=日清食品)は、世界ランキング74位のステファノ・トラバリア(イタリア)に4―6、6―2、6―7、6―4、2―6で敗れた。6年連続の3回戦進出は逃したが、内容には確かな手応えを得た。第5日の女子ダブルス1回戦では第7シードの青山修子(32=近藤乳業)柴原瑛菜(22=橋本総業)組が初戦を突破。女子シングルス2回戦の日比野菜緒(25=ブラス)は敗れ、シングルスの日本勢は男女ともに全て敗退した。

 3時間53分の激闘の末に力尽きたが、光は見えた。錦織は“赤土の王者”ナダルとの3回戦に進めなかったものの「自分の良い時には全く達していないが、今までの中では一番良い試合だった」と強調。右肘手術と新型コロナウイルス感染により約1年も実戦から遠ざかった中、9月の復帰後4大会目でようやく手応えを得た。

 クレーコートを得意とする相手とのシーソーゲーム。第4セット途中には右肩に痛みが出てマッサージを受ける場面もあり、決して万全ではない中で粘りを見せた。最終セットは強打に押されて後手に回り「相手がレベルを上げてきて太刀打ちできなかった」と脱帽。それでも「今日はラケットが振り切れて、プレーはかなり良くなってきていた」と前向きな言葉を並べた。

 完全復帰への道は険しいと覚悟していたため「結果は1回戦負けでも何でも良かった」という10度目の全仏。2戦続けてフルセットのゲームを経験できたことも収穫だった。今後の出場は未定だが、できる限り多くのツアー大会を転戦して感覚を取り戻していく構え。「悪過ぎないのが救い。焦っても仕方ないので、割り切ってやらないと。いっぱい試合をして、いっぱいテニスをしていくしかない」と切り替えた。本大会はWOWOWで放送。

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