白鵬2連勝 わずか2秒“神の上手投げ”で豊山撃破「いい投げ 気分が良かった」

[ 2020年7月21日 05:30 ]

大相撲7月場所2日目 ( 2020年7月20日    両国国技館 )

豊山を上手投げで破る白鵬(右)(撮影・西海健太郎)
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 さすが千両役者だ。横綱・白鵬は平幕の豊山を豪快に左上手投げで転がし、連勝スタート。今場所直前に放映された“上手投げ特集番組”の実践編で観客の拍手を浴びた。この日から鶴竜が休場し、一人横綱となった今場所も存在感は際立っている。新大関の朝乃山、カド番大関の貴景勝もそろって連勝発進している。

 これがお手本だ。立ち合いすぐに左上手をつかんだ白鵬は息つく暇も与えず振り回し、いとも簡単に1メートル85、175キロの豊山を横向きに転がした。わずか2秒4。全く息を乱さず、満足げな表情で場内の拍手を受けた。

 「勝てて良かった。(左上手で)いいところを取れたので。あとは(前へ)出るか、投げるかという流れ」

 寄りではなく、豪快に投げて転がしたのは、初日前日の18日にNHK(BS1)で放映された番組の影響かもしれない。番組は上手投げを掘り下げる内容で、白鵬はリモート出演し、その極意を語った。放映2日後に“実践編”を観客の目の前で披露。「まあ、いい投げ。気分が良かった」と自画自賛した。

 コロナ禍の影響で、出稽古禁止のまま臨んだ今場所に少なからず不安はあった。「うちの部屋は関取2人が小兵(炎鵬、石浦)、重さというのは…」と馬力ある相手との稽古不足を懸念。だが、ふたを開けてみれば初日の1メートル90、160キロの隠岐の海に続き、大型力士を難なく撃退。八角理事長(元横綱・北勝海)は「こういう相撲を取ると、いつも通りという感じになってくる」と連勝スタートで手応えをつかんだ白鵬が、本領発揮する場所になると見立てた。

 鶴竜の休場により、一人横綱として重責を担う。「(休場は)残念ですけど、その分託されたと思う。一日一番頑張っていきたい」。その表情には第一人者の余裕が漂っていた。

 〇…白鵬は幕内通算1068勝。決まり手で最も多いのは寄り切りで335勝(31・4%)。それに続くのが上手投げの166勝(15・5%)で、3番目の押し出し94勝(8・8%)を大きく引き離している。

 〇…上手出し投げでは45勝(4・2%)しており、上手投げを合わせると211勝(19・8%)。5勝に1勝近くを上手からの投げ技で決めている。

 〇…1場所で最も多く上手投げを決めたのは2010年名古屋場所。15勝のうち6勝を挙げた。

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