曙 貴花田との同期対決制し初V前進

[ 2020年6月4日 05:30 ]

夏場所メモリー   曙(西関脇) 寄り倒し 貴花田(西前頭2) ( 【11日目】1992年5月20日 )

貴花田を寄り倒して破った曙は後続との2差をキープ
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 88年春場所初土俵の同期を退け、曙が初優勝に前進した。10日目までの9勝は全て突き押しで勝負を決め、貴花田にも突いていった。粘る相手を仕留めきれず、右を差されて四つとなったが、勢いは止まらない。相手の下手投げにしっかり体を寄せ、2メートル4、200キロの巨体を預けて寄り倒し。貴花田戦5連勝とし、後続との2差を守った。

 この年の初場所では貴花田と優勝を争い、直接対決では勝ったものの1差で及ばなかった。ライバルが史上最年少で賜杯を抱くのを見て「やっぱり悔しい」とこぼした。それから2場所。千秋楽では貴花田の兄・若花田を退け13勝2敗とし、初優勝を果たした。この場所は小錦が綱獲りを目指した場所だったが、ハワイの後輩が主役の座を奪った。

 3場所合計は34勝に達した。前の場所は8勝止まりながら、優勝が評価され、満場一致で大関昇進も決まった。同期の若貴としのぎを削りながら手にした賜杯と看板力士の座。「あの2人がいたおかげ」とライバルの存在に感謝した。

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2020年6月4日のニュース