NFLのトップ選手が無観客試合に不快感 「ファンいてこそのゲーム」

[ 2020年5月22日 13:19 ]

無観客試合に否定的な見解を示したラムズのドナルド(AP)
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 NFLのシーズン最優秀守備選手に2回選出されているラムズのディフェンシブ・タックル(DT)、アーロン・ドナルド(28)が21日、自宅のあるペンシルベニア州ピッツバーグでビデオ会見に応じ「試合をするにはファンの力が必要。無観客は自分にとっては楽しくない」とリーグ側が進めている新型コロナウイルスの感染対策に不満の意を示した。

 ドナルドは「感染拡大の状況を考えると自分の意見はあまり重要ではない」としながらも「疲れているときに元気を与えてくれるのがファン。(無観客試合は)自分から楽しみと興奮を奪ってしまうような気がしている」と、すべてのプロスポーツ選手が抱える悩みと不安を代弁していた。

 ドナルドは2014年のNFLドラフトで全体13番目に指名されてラムズ入り。183センチ、127キロとNFLのDTとしては小柄な選手だが、プロボウルにはすでに6回選出され、2018年シーズンにはリーグ最多のQBサックを記録した。ドラフト前の体力測定会(コンバイン)での40ヤード走では、DTとしては史上最速タイムとなる4秒68をマーク。リーグ屈指のパス・ラッシャーとして注目を集めている。

 現在、カリフォルニア州ロサンゼルスを本拠にしているラムズがまだ練習施設のに踏み切っていないために父親の自宅の地下室に作った“特設ジム”で、1日2時間のウエートトレーニングを行っている状況。その間をぬって母校ビッツバーグ大のオンライン授業を受けて卒業に必要な単位をすべて取得(専攻はコミュニケーション学)したことも明らかにした。

 ラムズは今季からロサンゼルス近郊のイングルウッドに建設された新本拠地「ソーファイ・スタジアム」で試合を行い、9月13日にカウボーイズと対戦。2022年のスーパーボウルと、2028年ロサンゼルス五輪の開会式に使用される同スタジアムの収容人数は7万人(最大で10万人)とあって、NFLが無観客試合での試合実施を選択すると、ラムズの選手にとってはさびしい「こけら落とし」となりそうだ。

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2020年5月22日のニュース