藤田寛之の“急がば回れ!”上達講座【第7回 ショートアイアンの精度を高める方法】

[ 2020年5月22日 12:00 ]

ショートアイアンの精度を高める方法を解説する藤田寛之プロ
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 今回のテーマはショートアイアンの精度を高める方法です。本来ならボールを真っ直ぐ飛ばしやすいクラブですが、いざ打ってみるとグリーンを外すことが少なくありません。藤田寛之プロによれば、クラブフェースを開閉する動きがその原因だと指摘します。ティーチングプロのジミー常住氏がコツを聞きました。肩と両腕できる三角形をできるだけ崩さないのがポイント。フェース面を常にスクエアに保てば、ボールは真っ直ぐ飛ぶことを理解しましょう。

 常住 ショートアイアンは扱いやすいクラブだと思いますが、正確性に欠ける人も少なくありません。その原因はどこにあるのでしょうか?

 藤田 実はその扱いやすさが問題なんです。というのも、手先だけでクラブを振ってもボールをとらえることができるからです。その結果、クラブフェースを開閉する動きが生まれ、インパクトでフェースが開いていれば右に、閉じていれば左に飛び出します。逆に、手首の動きをできるだけ抑えてフェース面が目標に対してスクエアな状態でインパクトを迎えたなら、目標に向って飛んでいきます。

 常住 どうすればスイング中に手首の動きを抑えられますか?

 藤田 まずは手打ちを避けることですね。そのために、アドレスした姿勢から一度体を起こしてみましょう。クラブヘッドが胸の前にきて、グリップエンドがお腹を指す形になります。このとき両肩と両腕で三角形、もしくは五角形ができていると思います。この形を崩さずに、両手とヘッドの高さを変えずに上体を右に回した後、左に回してみましょう。スイングプレーンに対して、フェース面が常に真っ直ぐな状態になっていませんか?これを実際のスイングでも行えば、手首の動きを抑えられます。

 常住 手首を使っている人はどのような動きになるのですか?

 藤田 三角形、もしくは五角形は崩れます。バックスイングではクラブが右に倒れてフェースが上を向き、フォロースルーではクラブが左に倒れてフェース面が下を向きます。

 常住 まさにフェースを開閉する動きですね。では、ショートアイアンの精度を上げるドリルがあれば教えて下さい。

 藤田 ティーアップしたボールを9Iで打つ練習がお勧めです。ティーアップの高さはドライバーショットのときよりも少し低くいぐらいです。ただし、この練習でボールが高く上がってしまう人は要注意です。ボールの下からすくい打つ傾向があるため、実際に地面にあるボールを打つと、ミート率が低く、ボールも左右に曲がります。正しくは、ボールの上からダウンブロー気味に打つことです。通常の9Iで打つ高さの半分、もしくは3分の2ぐらいの高さで飛んでいくイメージを持つと、ヘッドが上から下りてきます。

 常住 このドリルの注意点は?

 藤田 先ほど説明した両肩と両腕でできる三角形を崩さずにスイングすることです。最初はハーフスイングで行い、徐々にスイングを大きくしていくといいでしょう。下からすくい打つとフィニッシュでお腹が前に出て反り返ったような形になりますが、ダウンブローで打てれば、左足に体重がしっかり乗り、右肩が前に出た形になります。(取材協力=千葉・きみさらずゴルフリンクス、静岡・葛城ゴルフ倶楽部)


 ◇藤田 寛之(ふじた・ひろゆき)1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◇ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。

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