柔道男子66キロ級、五輪選考混乱 一二三VS丸山で代表14人“とりあえず”決定も…再選考浮上

[ 2020年3月26日 05:30 ]

し烈な代表争いを繰り広げてきた丸山城志郎(左)と阿部一二三
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 東京五輪の延期決定から一夜明けた25日、各競技団体は対応に追われた。全日本柔道連盟は他競技で代表選考の中止や延期が相次ぐ中、当初の予定通りに全日本選抜体重別選手権(4月4、5日、福岡)を最終選考会として実施することを決めた。男女計14階級で唯一決まっていない男子66キロ級の代表を選出する一方、4月以降に全階級の再選考を決定する可能性も示唆。混乱が広がった。

 注目の“福岡決戦”が決行される。男子66キロ級は19年世界王者の丸山城志郎(ミキハウス)と、17、18年世界王者の阿部一二三(日体大)がし烈な代表争いを繰り広げてきた。都内で取材に応じた全柔連の中里壮也専務理事は「(20年開催の)前提が変わっているので微妙な位置付けだが、ひとまず(選考会として)実施するしかない」と明言した。

 もっともいったん出そろう14人が、代表として確定するかどうかは不透明だ。中里氏は「きちんと常務理事会や理事会で議論して決める」と説明。別の関係者によると、(1)そのまま確定(2)14人にアドバンテージを与えた上での再選考(3)再選考、の3つのシナリオを検討しているという。いずれにしても選考内規を見直さざるを得ず「法的な確認が必要。選抜には間に合わない」と中里氏。丸山、阿部は不透明な状況で、命を削る勝負に臨むことになる。

 男子60キロ級代表の高藤直寿(パーク24)はこの日、自身のツイッターに「代表選考やり直しとかなったらさすがに無理だろ」などと投稿。再選考の可能性が浮上する中、早くもけん制する動きを見せている。逆に再選考しない場合は落選した選手らから異論が出ることも必至。4月中旬以降の実施が見込まれる理事会は、早くも風雲急を告げている。

 《井上監督の任期延長へ》○…中里専務理事は今年9月末で任期満了となる男子日本代表の井上康生監督の任期を東京五輪まで延長する考えを示した。「任期は1期4年とし、最長で2期8年とする」の内規があるが、中里氏は「規定を変えるしかない。理事会で見直すことになる」と話した。井上監督は全柔連を通じ、「なるべく早い時期にご報告できるようにいたします」などとコメントした。

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2020年3月26日のニュース