日本に花持たせたIOCの政治力――東京五輪延期決定の内幕を英紙報じる

[ 2020年3月26日 05:30 ]

国際オリンピック委員会のバッハ会長(AP)
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 英紙ガーディアンが東京五輪の延期が決まった24日の電子版で決定の内幕を報じた。

 延期への動きは安倍首相が16日夜に行ったテレビ電話によるG7首脳会議で「完全な形での開催を目指したい」と表明した時に始まったとしている。ここで開催の時期に触れなかったことから国際オリンピック委員会(IOC)側は延期に向けてかじを切り、元IOC幹部で内部事情に詳しいマイケル・ペイン氏は「日本に面目を失わせないため多くの政治的な交渉と慎重な外交があった」と指摘する。

 当初10月開催を希望した日本に対し、IOCのバッハ会長は感染拡大の終息を見通せないため否定的だったという。IOCは22日の臨時理事会で延期を含めて4週間以内に結論を出す方針を打ち出したとされたが、これは元々、日本側が希望したものでIOCは渋々受諾。アスリートの反発を受ける中で、バッハ会長に近いコーツ調整委員長が率いるオーストラリア・オリンピック委員会が、選手に21年開催に向けて調整するよう指示したことを公表。日本が決断を前倒しするよう重圧をかけて24日の電話会談に持ち込み、1年程度の延期を提案した安倍首相にバッハ会長が応じたとしている。

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2020年3月26日のニュース