【船木和喜の目】100度目表彰台、パワー生かせるようになってきた高梨

[ 2020年3月11日 06:45 ]

ノルディックスキー W杯ジャンプ ( 2020年3月9日    ノルウェー・リレハンメル )

ジャンプ女子のW杯個人第15戦で優勝し、ガッツポーズする高梨
Photo By 共同

 ジャンプの飛距離を決める要素は(1)助走(2)踏み切り(3)空中姿勢、という3局面。従来の高梨の良さを突き詰めれば、この3つ全てが常に及第点以上というバランスの良さに尽きる。パワーに勝る海外選手は局面で上回っても3つがそろうことは少なく、高梨というパッケージの完成度優位の時代が続いた。

 だが、男子選手と合同練習を重ねた海外勢は、徐々に精度を高めてきた。となれば、飛距離はパワーの大きさに比例するようになる。高梨はそれに気づき、練習で付けたパワーを3つの局面でどう生かすかに腐心してきたのが、近年の流れだ。

 それを物語っていたのが、今季の空中のスキーの乱れだった。よりパワーを持って踏み切るため、少しのブレが命取りになる。手や肩の動きを使ってバランスを取るべきだが、この技術はこれまでの高梨に不要だったはずで、苦労しただろう。

 完成度は納得いくレベルではないかもしれないが、取り組んできたことの正しさを証明してくれたのが勝利。そして、試行錯誤しながらトップ10は外さず、大小さまざまなジャンプ台に対応しながら100度表彰台に立った高梨を、同じ競技の選手として誇りに思う。(98年長野五輪スキージャンプ2冠)

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