女子ホッケー強豪ソニー・永井祐司監督「まず、やらせる」が成長の秘けつ

[ 2020年3月11日 06:30 ]

ホッケー・ソニー永井祐司監督
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 剣豪・宮本武蔵の兵法書「五輪書」にちなんで、五輪競技の指導者のモットーを月に1回紹介する。第37回は、ホッケー日本代表候補の永井友理(27=)、葉月(25=ともにソニー)、祐真(23=岐阜朝日クラブ)の父で、女子強豪のソニーを率いる永井祐司監督(56)に「まず、やらせるの極意」を聞いた。

 
 子ども3人が東京五輪代表候補と聞けば、親の英才教育を想像してしまう。だが、そんな先入観を永井監督は否定する。「星一徹のようなことは全くなくて」。優しい口調から、スポ根漫画とは真逆の教え方だと伝わる。

 自身も妻・理重子さん(57)も日本代表だったことから、「2世は嫌な思いをする。他のスポーツをやってほしい」と願っていた。「日本は子どもの頃から詰め込みすぎる。いろいろな競技を経験した方がいい」という考えから、テニスやバドミントン、サッカーなどをさせていたものの、血は争えない。気付けば長女・友理、二女・葉月、長男・祐真も同じ道に進んでいた。

 子どもたちが尋ねてきた時だけ、レッスンをした。思うようにやらせた。言ったのは「海外へ出ろ」と武者修行を勧めた程度。3人とも忠実に実行した。現役時代のオーストラリア留学が、“放任”の原点になっている。

 「向こうのコーチは自分から教えないのが基本。まずやらせて、失敗をさせて、なぜかを考えさせる」

 ジュニア世代は強いのに、大人になると勝てない日本のジレンマは何が原因か。師と仰ぐ同国のクレイグコーチに「日本人は怒られないようにプレーしている」という言葉も指導の道標になった。

 子どもだけでなく、長く率いる女子の強豪ソニーでも、選手の気付きや自発性を尊重する。戦術の原理原則を教え込む一方、「新加入の選手は戸惑うことが多い」というほどプレーの制約は少ない。まず、やらせる、を信条にして結果を残し、男女の日本代表監督を経験。女子では16年リオデジャネイロ五輪に出場した。

 国主導の指導者プログラムを受講し、海外へも足を運ぶ。日本に最初に「ゾーンプレスディフェンス」を持ち込むなど進取の気性に富んだ監督は、今も指導の幅を広げることに積極的だ。「日本のホッケーのためにできることはなんでもやらないと」。普及育成、競技の魅力を伝えることに終わりはない。

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