データで見る八村の第34戦 許してもらえなかった高速の?トラベリング

[ 2020年2月27日 14:34 ]

ペイント内からシュートを放つウィザーズの八村(AP)
Photo By AP

 ネッツ戦を放送していた現地テレビの実況アナウンサーが「たぶん八村はわからなかったと思う」と語った場面があった。

 第4Qの5分4秒。その12秒前にコートに戻った八村塁(22)はネッツ陣内の右ベースライン際にいた。左サイドからガードのイッシュ・スミス(31)がペイント内にドリブルで侵入。ここでネッツの2選手を引きつけた。その瞬間、八村は“カッター”となりゴール下に飛び込んでスミスからのバウンズパスをもらう。しかし真上にリングがあったのでドリブルを1回ついて位置を微妙にずらしてシュートを放った。ボールはリングの中を通過し、スコアは92―92の同点…のはずだった。

 ところが審判はトラベリングのコール。そばにいたネッツのトーリーン・プリンス(25)も手をぐるぐると回していたので八村がバイオレーションを犯したという確証があったのだろう。だが私はよくわからなかった。それは画像を3度ほど繰り返してみて、ようやくドリブルの前に軸足が右から左に小刻みに動いていたことが確認できるのだが、一昨年までトラベリングにルーズな判定?を繰り返していたNBAの審判の“見る目”がここまで変わっていたのかと実感する場面でもあった。

 ゼロステップ概念の定着などとともに、NBAではトラベリングの基準がきびしくなっている。八村は23日のブルズ戦でも、ドリブルで前に進もうとした際に軸足が動いたとして笛を吹かれていたが、おそらくアマチュアの試合だと「判別不能」とも思われるスピードでも、NBAの審判は目を光らせていることがこれで理解できたような気がする。

 ウィザーズの1試合平均ターンオーバー数は全30チームで9番目に少ない13・5回。勝率が全体の22位(・368)のチームとしては非常に少ないのだ。下位5チームはすべて勝率5割未満のチームで「弱いチームほどミスが多い」ということを実証している形なのだが、その唯一の例外がウィザーズでもある。

 八村の1試合平均のターンオーバー数は1・0。しかしここ3試合では計7回を数えており、うち2回はトラベリングだ。この日のバイオレーションから学べる教訓は(1)ゴール下でボールをもらったらどの位置であってもすぐにシュートを打つこと、(2)バラつきはあるものの、国際大会以上に軸足の動きに目を光らせている審判がNBAにいること、の2つだろうか。テレビで見ているとわからなかった八村による高速の?トラベリング。これはある意味、“時代の流れ”を象徴しているようにも見えた。(高柳 昌弥)

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「NBA」特集記事

2020年2月27日のニュース