女子78キロ級・浜田 オール一本勝ちで優勝 東京五輪確実「結果を出せて良かった」

[ 2020年2月25日 05:30 ]

柔道グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会最終日 ( 2020年2月23日    ドイツ・デュッセルドルフ )

女子78キロ級決勝 ブラジル選手(下)を破り優勝した浜田
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 男女計5階級が行われ、女子78キロ級で浜田尚里(29=自衛隊)が5試合オール一本勝ちで優勝し、東京五輪代表入りを確実にした。柔道女子では歴代最年長タイとなる29歳での五輪初出場で金メダルを目指す。男子90キロ級の向翔一郎(24=ALSOK)は銅メダルで初代表が確実。27日に都内で行われる全日本柔道連盟の強化委員会では、男子66キロ級、すでに決定している女子78キロ超級を除く計12階級の代表が内定する見込みとなった。

 自分の土俵に引き込めば世界最強。優勝の瞬間も大柄なアギアルをがっちり抑え込みながら迎えた浜田は「五輪代表になりたいと思って柔道をやってきた。結果を出せて良かった」と達成感を口にした。人呼んで「寝技の女王」は五輪切符もがっちりとつかんだ。

 3回戦は見事な内股で一本を奪ったが、他4試合は全て寝技。決勝は「結構寝技も強い」という相手にてこずり2度抑え込んだが、いずれも8秒で逃げられた。「だいたい1回か2回で抑えられる」という浜田には不覚だったが、三度目の正直とばかりに最後は横四方固めで仕留めた。

 リオ五輪後、国際柔道連盟のルール改正で、審判が寝技をより長く見てくれる。動きが止まれば「待て」だが、決勝では解けた後、動きを止めず、再び抑え込む粘りを発揮。女子日本代表の増地克之監督も「常に動き続ける技術とスタミナが特長。審判が浜田の寝技を見るところにつながっている。浜田の寝技は分かっていても決まる」と高く評価。12年のロンドン五輪63キロ級の上野順恵(現代表コーチ)と並ぶ、29歳にして初五輪という柔道界では異例の晩成ぶりにも「寝技はいくつになってもできる。今がピーク」と称えた。

 準決勝で担ぎ技で相手をつぶす新境地を開き、不十分な組み手から投げる悪癖も修正。ロシア生まれの格闘技サンボ仕込みの関節技も持つ、まむしのような柔道スタイルとは裏腹に、初五輪代表への心境を問われると「決まったらうれしいな、という感じです」と遠慮気味に笑った浜田。心から笑う日は、東京五輪まで取っておく。

 ◆浜田 尚里(はまだ・しょうり)1990年(平2)9月25日生まれ、鹿児島県出身の29歳。10歳で柔道を始め、国分南中―鹿児島南高―山梨学院大を経て13年4月に自衛隊入り。柔道と並行して行っていたサンボでは14年世界選手権80キロ級で優勝。柔道では17年12月のグランドスラム(GS)東京大会でGS初優勝、世界選手権は18年優勝、19年準優勝。1メートル67。右組み。得意技は寝技。

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