データで見る八村の5戦目 少ないフリースロー ゴンザガ大時代の6分の1に激減

[ 2019年11月3日 12:22 ]

ティンバーウルブスのコビントンをマークするウィザーズの八村(AP)
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 八村はティンバーウルブス戦で22分出場したが、フリースロー・ラインには一度も立たなかった。ボールを5度はたかれながら相手に反則がなかったためで、マッチアップした“守備のスペシャリスト”、ロバート・コビントン(28)らに動きを完全に止められた試合となった。

 開幕から5試合を消化して八村のフリースロー(FT)成功率は100%だが、1試合の平均出場時間が31・2分ありながら試投数は5本。1試合で1本しか放っていない計算になる。ゴンザガ大時代の昨季は37試合で出場時間は30・2分と現在より少なかったものの、1試合平均で6・0本を放ち4・4本を成功させていただけに、まったく異なった数値を示している。

 ロケッツのジェームズ・ハーデン(30)は開幕から5試合で81本のFT(成功77本)を試みており、八村とはまさに大差。ドラフト全体3番目に指名されたニックスのシューティングガード、R・J・バレット(19)はポイントガード役も時として務めるために反則をもらう機会が多く、6試合ですでに33本のFTを放っていることをふまえると(成功は15本)、八村のFT試投数の少なさは主力選手として起用されているルーキーの中ではきわだっている。

 理由はいくつかある。まずマッチアップしている相手選手の資質の高さ。コビントンはその一番いい例かもしれない。次にチームのオフェンスがどうしてもシューティングガードのブラドリー・ビール(26)に重きが置かれるため、スペースを生み出すためにペイント内に立たないことが多い。だからフィジカルなコンタクトが多いゴール下でのオフェンスが少ないために反則をもらえる機会が減少している。

 そして外部要因ではなく個人のプレーに絞ってみるとこんなことが挙げられる。それはゴール下にもぐりこんだ際に試みるポンプ・フェイクやユーロステップなどのバリエーションの少なさ。これはNBAでプレーしている限り、自然と身についていくだろうから気になる部分ではないが、NBAのベテランたちから見ると八村の動きはかなり「シンプル」で、だからこそマークしやすい選手の1人と言える。

 その一方で、もっとも気になるのはドライブインからのレイアップやターン・アラウンドからのジャンプシュートを放とうとしたときのボールの位置。はたかれないようにするには「体が先でボールが最後」という動きがどうしても必要なのだが、マークしている相手の前に素直にボールを向けているようにも見える。つまり体とボールの動きに“時差”がないので、ディフェンダーからすると動体視力で対応できる位置にボールがあるような感がある。

 実はこの真逆の動きをするのがハーデン。インサイドに切れ込んだときには、わざと両手を前に差し出して相手の反則を誘うという細かい“芸当”を演じてくる。ジャンプシュートや3点シュートを放つときでも、前後左右にフェイクをかけて反則を誘発。そのフェイクのスピード、タイミング、テンポは実に種類が豊富で、だからこそ1試合平均で16・2回という驚くべきFT試投数を生む結果となっている。

 まだデビュー5戦目を消化したところ。もちろん新人としては本当によく頑張っている。しかしながら八村の前にはまだまだ課題が多く残されている。だからこそやりがいのある仕事。今後の進歩と進化に期待したい。(高柳 昌弥)

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