八村がNBAでデビュー 9番目指名では史上3人目の開幕ダブルダブル しかし初戦は完敗

[ 2019年10月24日 12:47 ]

ゴール下でシュートに持ち込むウィザーズの八村(AP)
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 NBAドラフトで全体9番目に指名されたウィザーズの八村塁(21)が23日にテキサス州ダラスで行われたマーベリクス戦でデビュー。日本人選手初の先発としてコートに立った八村は24分50秒のプレータイムでフィールドゴール(FG)を15本中7本決めて14得点をマークし、第4Q残り2分8秒、ブラドリー・ビール(26)が外した3点シュートをゴール下でしぶとくキープして10リバウンド目を記録した。

 個人成績部門の2つで2ケタと数字を残す「ダブルダブル」を達成したのも日本人選手では初めて。ドラフト全体9番目指名選手(過去72人)で開幕戦に「ダブルダブル」をマークしたのは、1999年のショーン・マリオン(サンズ=35分で14得点&14リバウンド)と、2017年のデニス・スミスJR(マーベリクス=現ニックス、30分で16得点&10アシスト)の2人だけで、八村は史上3人目の記録達成者となった。

 しかし試合は100―108(前半48―62)で敗れて初戦は黒星。第3Q終了時点で23点差をつけられ、第4Qを32―17として追い上げたが勝機は築けなかった。

 「ダブルダブル」を達成したとは言え、八村にとっては課題が残った試合。プレシーズンの4試合で9本中4本を成功させていた3点シュートは3本すべて失敗。ゴンザガ大時代に得意としていたゴール下でも、ドイツ出身のマキシー・クレバー(27=206センチ)に2回、ラトビア出身のクリスタプス・ポルジンギス(24=221センチ)に1回ブロックされるなど大学時代にはあまりなかった“NBAの高さ”にも苦しんだ試合となった。フリースローの機会はゼロ。インサイドのパワープレーで相手の反則をもらってラインに立つのはゴンザガ大時代には「日常的な光景」だったが、マーベリクス戦ではその得点パターンを封じられる結果となった。

 一方、昨季33勝49敗で西地区15チーム中14位に沈んでいたマーベリクスは復調気配。ニックスから移籍後、膝のじん帯断裂で昨季を全休していたポルジンギスは開幕戦で29分出場して3本の3点シュートなどで23得点をマーク。スロベニア出身で昨季の新人王に輝いたルカ・ドンチッチ(20)はFGを19本中12本(うち3点シュートは9本中4本)成功させて両軍最多の34得点と9リバウンド、3アシスト、2スティールを稼いで八村以上の存在感を示した。

 大黒柱のガード、ジョン・ウォール(28)をアキレス腱の故障で欠いているウィザーズは、昨季25・6得点を挙げていたブラドリー・ビールがマーベリクスのきついマークにあって不調。19得点を記録したものの、通算成功率が38・4%だった3点シュートは11本放って1本しか決まらず、終了間際には審判への暴言で立て続けにテクニカル・ファウルを宣告されて退場処分となった。

 なおウィザーズは25日(日本時間26日)、敵地オクラホマシティーでサンダーと今季2戦目を行う。

 <日本人NBA選手のデビュー戦>

 ◆田臥勇太(サンズ)=2004年11月3日、開幕戦の対ホークス戦。途中出場で10分プレー。フィールドゴール(FG)の成功は3点シュートの1本(試投数も1本)、フリースロー(FT)を4本すべて成功させて7得点。1アシスト、1ターンオーバー、1反則。出場時間帯のチームスコアはマイナス8点。試合は112―82で勝利。

 ◆渡辺雄太(グリズリーズ)=2018年10月28日、開幕から5戦目となった対サンズ戦。途中出場で5分プレー。FG試投はなし。FT2本を決めて2得点。2リバウンド。出場時間帯のチームスコアはマイナス4点。試合は117―96で勝利。

 <ウィザーズの今後10試合の日程>

 ▼10月25日=サンダー(オクラホマシティー)
 ▼10月26日=スパーズ(サンアントニオ)
 ▼10月30日=ロケッツ(ワシントンDC)
 ▼11月2日=ティンバーウルブス(ワシントンDC)
 ▼11月4日=ピストンズ(ワシントンDC)
 ▼11月6日=ペイサーズ(インディアナポリス)
 ▼11月8日=キャバリアーズ(ワシントンDC)
 ▼11月13日=セルティクス(ボストン)
 ▼11月15日=ティンバーウルブス(ミネアポリス)
 ▼11月17日=マジック(オーランド)

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