賞金女王目指す渋野日向子 「うまい」申ジエに対抗するには「超攻撃」

[ 2019年10月24日 09:00 ]

24日開幕 NOBUTA GROUP マスターズGCレディース ( 兵庫県 マスターズゴルフ倶楽部=6510ヤード、パー72 )

<マスターズGCレディース・プロアマ>10番、ティーショットを放ち、ボールの行方を見つめる申ジエ(撮影・井垣 忠夫)
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 【全英女王渋野のコーチ「青木の翔言」この選手ここがスゴい(1)】渋野日向子との“スマイル師弟コンビ”で今年8月の全英女子オープンを制した青木翔コーチ(36)が、今大会で渋野と競演する注目選手について5回にわたって“翔言”します。その第1回は、激しい賞金女王争いを繰り広げている申(シン)ジエと渋野。青木コーチが語る「史上最年少賞金女王」誕生の可能性は…。

 史上最年少の賞金女王を目指す渋野の前には、元世界ランク1位の申ジエさんが大きな壁となって立ちはだかっています。

 申ジエさんのゴルフをひと言で表現するとしても「うまい」の言葉しか見当たりません。トータルで全てがうまい。メンタルコントロールも優れています。日本ツアーの中ではズバぬけています。今季の成績の中で上回っているものもありますが、技術的には今の渋野に勝てるものは何一つありません。

 ただ、それがそのまま結果につながらないのがゴルフです。そういう意味で渋野が賞金女王になる可能性は十分にあると思います。

 攻守のバランスに優れた申ジエさんに対し、渋野は攻撃に特化したゴルフをします。本人は気付いていないかもしれませんが、本能的にここでいかないとという勝負どころを嗅ぎ分け、また、いこうと思っていける力を持っています。渋野と出会ったころ、プロとしては何一つできていないのに、なぜかアンダーパーで帰ってくる。面白い子だなあと思いました。ソフトボールで投手をしていたからでしょうか。渋野はゲームをつくる能力に優れています。

 優勝した全英女子オープンの最終日もそうでした。ここでいかないと追いつけない。首位と2打差で迎えた12番パー4(303ヤード)。3日間、刻んだ第1打に1Wを選択し、1オンを狙って成功させました。そういう渋野らしい超攻撃ゴルフができれば、今大会も乗っていけるはずです。 

 ▼申ジエ この大会は優勝の記憶も強いし、いいプレーもできている。4日間、いいプレーができるように頑張りたい。賞金女王を意識していないと言うとうそになるが、今はそれまでの過程を大事に試合に集中したい。(09年大会覇者は現在賞金ランク1位)

 ◆申 ジエ 1988年4月28日生まれ、韓国出身の31歳。06年に韓国、09年に米ツアーの賞金女王に輝き、10年には世界ランク1位に。日本ツアーはメジャー4勝を含む24勝。米ツアーは08、12年全英女子オープンでのメジャー2勝を含む11勝。1メートル55、63キロ。

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2019年10月24日のニュース