奥原2年ぶり女王へ“因縁”プサルラと決勝 リオ雪辱必ず

[ 2019年8月25日 05:30 ]

バドミントン 世界選手権第6日 ( 2019年8月24日    スイス・バーゼル )

世界バドミントン女子シングルス準決勝 タイ選手に勝利し、笑顔の奥原
Photo By 共同

 各種目の準決勝が行われ、女子シングルス世界ランキング4位の奥原希望(24=太陽ホールディングス)が同6位のラチャノック・インタノン(24=タイ)に2―1で逆転勝ちし、2年ぶりの優勝に王手をかけた。今年1月のプロ転向以降、初タイトルが懸かる大一番で、宿敵シンドゥ・プサルラ(24=インド)と激突する。男子シングルス同1位の桃田賢斗(24=NTT東日本)も勝ち進み、全種目で日本勢初となる大会連覇に挑む。

 女王返り咲きを、くっきり視界に捉えた。83分の熱戦を終えた奥原は左拳を握り、何度もガッツポーズを繰り返す。2年ぶりのビッグタイトルへ、あと1勝だ。「後がない状態でも守備のスピードだけは集中して落とさなかった。そこでプレッシャーを与えられた」。厳しいラリー戦が、リオ五輪銅メダリストを本気にさせた。

 第1ゲームを失い、先行した第2ゲーム終盤も5連続失点で14―16とピンチを迎える。だが、しぶとさが奥原の真骨頂。ラリーを拾い、攻めに転じた。

 「東京五輪へ全てをささげる」――。今年1月から異例のプロ転向をした奥原は、こだわりも一級品だ。五輪本番を見据え、5月にミズノ社製の新ラケットが完成。繊細な感覚をシャトルに伝えるため500本ほどの試作品を経て、相棒ができた。担当者がカフェでラケットのサンプルを渡すと、外に飛び出して素振り。街行く人を驚かせた。「新しい道を切り開きたい」。そのために、一切の妥協はない。

 今大会はプロ初タイトルが懸かる。次戦はリオ五輪準決勝でも敗れた宿敵プサルラ。過去7勝8敗と負け越すが、2年前の決勝では1時間50分の死闘を制した。「優勝への思いは彼女は強い。そこに負けない覚悟を持ってコートに入らないと」。全身全霊を込め、強敵にぶつかる。

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