文田、日体大OB対決で太田撃破!世界選手権切符を獲得

[ 2019年6月16日 14:20 ]

レスリング全日本選抜選手権最終日 ( 2019年6月16日    東京・駒沢体育館 )

<全日本選抜レスリング選手権最終日 男子グレコローマン60キロ級 文田健一郎・太田忍>太田忍(左)を破り優勝した文田健一郎(右)=撮影・小海途 良幹
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 宿命の日体大OB対決となった男子グレコローマン60キロ級決勝は、昨年の12月の全日本選手権覇者・文田健一郎(23=ミキハウス)が、16年リオデジャネイロ五輪59キロ級銀メダルの太田忍(25=ALSOK)を4―1で破り、2年ぶり3度目の優勝と世界選手権(9月、カザフスタン)代表を決めた。太田との対戦成績は通算6勝4敗となった。

 第1ピリオドにパッシブ(消極性)で先に失点した文田は、続くグラウンドの守りで太田の攻撃に耐え、逆に第2ピリオドで相手のパッシブにより1―1の同点。さらにグラウンドの攻めで太田をひっくり返して3―1とリードし、1点を追加して逃げ切った。勝利が決まると文田は「ヨッシャー」と吠えたものの、全日本で太田を破った時のようなうれし涙はなかった。

 文田は「イメージしたとおりの結果。スタンドでは技が決まらないのでグラウンド勝負と想っていた。しっかり勝つ自分のレスリングができた」と振り返った。優勝が期待された4月のアジア選手権ではグラウンドでのディフェンスの課題が出て3位に終わったが、その後は重点的に練習。「グラウンドをしっかりやりきれた。そこは凄く良かった」と明かした。当日計量を意識し過ぎたアジア選手権は練習量を落とさずに急な減量でコンディションが整わなかったが、今回は練習量を調節して体重も落としたため調子が良かったという。

 代表入りを逃したリオ五輪では目の前で太田が銀メダルを獲得し、その後はライバルとして激しい代表争いを繰り広げてきた。「忍先輩と一緒に戦ってこなかったら、ここまでの選手になれなかったと思う」と感謝しながらも、この日泣かなかったことについては「自分が有利な状況で自信もあった。ここは1つ通過点をクリアしただけ」と胸を張った。メダルを獲れば五輪出場権を得る世界選手権へ、「忍先輩に勝ったから、世界選手権でも戦えると思う。世界選手権で代表を決めて、20年東京五輪で金メダルを獲ることを考えていきたい」と意気込んだ。

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2019年6月16日のニュース