【田中史朗インタビュー3】W杯スコットランド、アイルランド撃破へ地の利生かす

[ 2019年6月12日 14:42 ]

ラグビー日本代表・田中史朗インタビュー3

ラグビー日本代表宮崎合宿の練習中に笑顔を見せるベテランSH田中史朗
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 ラグビーW杯日本大会開幕まで100日を迎え、宮崎合宿中の日本代表のベテランSH田中史朗(34=キヤノン)が本紙などの取材に応じた。出場すれば自身3度目となる楕円(だえん)の祭典への思い、そして、史上初の8強進出を狙すジャパンの現在地とは――。日本の精神的支柱が全てを語り尽くした。

 ――15年大会でこれが最後のW杯と思っていた?

 「正直、“最後かな”と思っていました」

 ――ブラウン・コーチとは選手同士でもプレーし、一緒にやりたい思いは高まった?

 「ずっとありました。彼がいなければ僕もここまでなれなかった。彼と一緒にいたからこそ日本ラグビーを変えようという思いも持てました。本当に彼と一緒にラグビーができて幸せです」

 ――特に強く感じるところは?

 「やっぱり彼のラグビーの戦術、取り組み方ですよね。今まで出会ったコーチの中で知識がすごい高いですし。その中で選手へのアプローチもうまい。コーチングの部分で、プレーヤーとしてもすごかったですけど。コーチになってから彼のすごさがあらためて分かった。常に勉強になる」

 ――ジョセフ体制となり、キックを軸としたラグビーはどの程度まで高まっている?

 「戦術という部分ではみんなが理解してやろうとしている。精度という部分では100%ではないですけど、やろうとしていることはずっといる選手は理解している。新しい選手はどうやるのかコミュニケーションを取りながら学んでいるところ。彼らがしっかり理解できれば、全員が理解できるようになる」

 ――細部も詰めていかないといけない。

 「自分自身もキックの練習をしている。チームとしても全員が練習していますし。やることも理解できているので、そんなに不安はない。同じ絵を描けている」

 ――W杯では一度も勝ったことのないスコットランド、アイルランドと対戦。両国を倒す自信は。

 「ここで、ないっていったら終わりますし。僕の中ではスコットランドはすごい狙い目。前回のW杯は全然ダメだけど、その後はいい状態でプレーできましたし。ホームアドバンテージというのはある。暑さに弱い彼らを自分たちがフィットネス、スキルであったり、戦術でアタックできれば可能性は十分にある」

 ――ベテランとして、今年はチームを一喝したことはあったか。

 「ないです。みんなの意識が高いので。意識を低くしている人もいない。もし少しそういう部分があれば、周りが声を出して、こうしようとみんなが言う。昔のような、ダラダラしたラグビー、日本のラグビーはない。そこは成長した部分だと思います。(過去に日本代表で)3人のコーチとやっていますけど、1、2人目はしっかり自分で声を出して文句を言っていた。今はそれが必要ないレベルに達している」

 ――ティア1との差はどこにあるか?

 「やっぱりミスであったり、ペナルティーじゃないですかね。日本はオールブラックス相手でもトライは取れている。(相手を)止められる部分はスーパーラグビーでも代表でもある。1つミスをすると、そこから相手に付け入られる。ミスを少なくすることが大事。意識をすれば去年のイングランド戦でも前半の始めは簡単にトライを取られたけど、(前半の)その後はトライを許していない。南アフリカ戦でも止められるところは止められていた。それを80分間、継続することが大事」

 ――ティア1に勝ててないことは不安要素か。

 「不安はない。レベルアップを実感している。(13年に)ウェールズに勝った試合でもホームアドバンテージがあって、相手が暑さでバテていた。W杯はそれが強みになると思う」

 ――変わろうとしているラグビー協会について。

 「変わっていただければ、すごいありがたい。変わる変わるといって、いつも変わっていない。やっぱりちょっと僕が偉そうに言うわけではないですけど。言っていいのか分からないですけど、理事の方でも、何をしてんねん、という人がたくさんいる。しっかり日本のラグビーのために、やってきてくれた方。清宮さん、岩渕さんもそうですし。そういう方が上に立って、日本ラグビーを引っ張っていってもらえれば。全員がそういう方が理事になっていただければ日本ラグビーは変わると思います。もっと子どもたちに夢を与えるような環境を提供できると思います」

 ――選手の意思を届く仕組みがあれがいい。

 「それは選手会として畠山がやってくれています。全体的にしっかりした動きにはなってないですけど。それも少しずつ変わってきている。それを継続して下につなげていければと思います」

=終わり=

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