ボクシング東京五輪で存続決定も「審判がいないんじゃないのか」

[ 2019年5月24日 05:30 ]

会見する日本ボクシング連盟の内田会長(左)と菊池副会長
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 国際オリンピック委員会(IOC)は22日の理事会で、20年東京五輪の実施競技から除外の可能性があったボクシングを存続させる方針を決めた。ただ、組織運営や財政、審判に問題を抱える国際ボクシング協会(AIBA)にはIOC承認団体の資格停止処分が科される見通し。AIBAの資格を持つ審判が五輪のジャッジが可能か不透明で、新たな問題が浮上した。

 IOCの方針決定を受け、日本連盟の幹部は23日に都内で会見を開いた。深夜のネットニュースで知ったという内田貞信会長は、「本当にうれしい。ファンも選手も、この決定を待っていたと思う」と話した。理事会の決定を来月24~26日の総会に諮るが、東京五輪へひとまず大きなヤマは越えた形だ。

 ただし、AIBAは資格停止処分となる見通しで、五輪の準備や運営はIOC委員で国際体操連盟(FIG)会長の渡辺守成氏が座長を務める特別作業部会が主導することになった。責任者が日本人で連携しやすい側面はあるが、懸念材料を問われると、日本連盟の菊池浩吉副会長から安どの笑みは消えた。

 最も頭を悩ませるのは審判の問題だ。アマの国際大会にはAIBAの資格を持つ審判が必要だが、AIBAが資格停止処分になることで五輪への審判派遣は不透明。IOCのバッハ会長はプロの統括団体と連携する考えも示したが、アマとプロではルールも違う。菊池副会長は「審判がいないんじゃないのか。どうするんだろう、と正直思う」と話した。

 ボクシングは1904年の第3回大会から加わった伝統競技の一つ。東京へのゴングは鳴ったが、菊池副会長は「クリアしないといけない壁が高すぎて…」と険しい表情を浮かべていた。 

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2019年5月24日のニュース