MGC滑り込み獲得の一山麻緒は5位 2カ月で2本のマラソンのダメージが…

[ 2019年5月11日 05:00 ]

陸上・関西実業団選手権 ( 2019年5月10日    ヤンマーフィールド長居 )

一山麻緒(右端)はロンドンマラソンの疲労を抱えながら途中までレースを引っ張り、5位に入った
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 気持ちと体が合致しなかった。女子1万メートルの一山麻緒(21=ワコール)は、チームメイトのペースメーカーを務めながら、役目を終える6000メートル以降に「そこでペースを上げよう」と考えていた。

 昨年の日本選手権で31分49秒01の自己ベストを出して5位に入ったホープ。しかし、体が思うように反応しなかった。

 同僚の安藤に前を行かれ、第2集団のスパートにも付けなかった。33分0秒50だった。レース後は「全力を尽くす状態ではなかった」と、体の状態を説明した。

 初マラソンの3月の東京で、9月15日の東京五輪代表選考レース「MGC」の権利が取れず、4月末のロンドンマラソンも走った。2本目の42・195キロでワイルドカードのタイム条件を満たし、MGCチケットを滑り込みで獲得。その後が大変だった。初マラソンの時も、ロンドンのレース直後にも感じなかった疲労に襲われた。

 「後からダメージが来るからって、アドバイスをもらっていました。3日前からそれがポンって来て。こういうことかと思いました」

 このレースの2日前に、日本陸連の日本陸連長距離・マラソン強化戦略プロジェクトの瀬古利彦リーダーから、「MGCファイナリスト」の盾を手渡された。「それで実感できました。女子で最後の15番目にもらったので、(MGCで)一番最初にゴールできたらかっこいいと思います」。伸び盛りの21歳。疲労と戦ったこの経験も飛躍の糧になる。

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2019年5月11日のニュース