荒磯親方が令和初場所を展望 新大関V狙う貴景勝は「序盤しっかり勝っていければ」

[ 2019年5月11日 05:30 ]

12日初日大相撲夏場所

新大関優勝を狙う貴景勝
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 日本相撲協会は10日、大相撲夏場所(12日初日、両国国技館)の取組編成会議を開き、新大関・貴景勝(22=千賀ノ浦部屋)は初日に東前頭2枚目の遠藤(28=追手風部屋)、2日目に西前頭筆頭の琴奨菊(35=佐渡ケ嶽部屋)との対戦が決まった。本紙評論家の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)は横綱・白鵬(34=宮城野部屋)が不在となった令和初の場所の展望、新大関の可能性について語った。

  白鵬が右腕の負傷で休場したことで、令和初の場所は予想がつかない展開になりそうです。横綱の意地がある鶴竜が優勝候補の筆頭になりますが、新大関の貴景勝には勢いがあり、チャンスは十分にあると見ています。

 貴景勝は昨年九州場所で優勝して大関にも昇進し、自信を確信に変えた力士です。自分の中でつかんだものがあるように感じられます。優勝争いに絡んでいくには、やはり序盤が大事になります。私の新大関場所(12年初場所)は、初日に左おっつけから豪栄道(当時平幕)に勝ちました。“大関に上がったら2桁が勝ち越し”と決めて臨みましたが、初日から3連勝したことで勢いに乗り、11勝を挙げることができました。

 貴景勝の相手は、初日がうまさのある遠藤、2日目の琴奨菊は百戦錬磨の元大関だけに簡単ではありませんが、最近の貴景勝は四つ相撲相手にはいい立ち合いができています。いつもの場所とは違う中でしっかり勝っていければ、いい流れになるでしょう。インタビュー記事で「チャレンジャー」と話していたのを目にしました。大関になっても特別なことを考える必要はありません。やってきたことをしっかり出せば、安定感があるだけに結果はついてくるはずです。

 春場所で14勝を挙げた逸ノ城は、無駄な動きがなくなりました。両足をしっかり地面につけて待ち構え、227キロの体重を全て生かしています。相手を重みで崩したところではたき込みを決める。はたきは評価されにくい取り口ですが、あのはたきは、なるべくしてなったはたき。強さが感じられます。最近は初優勝を飾る力士が目立ってきましたが、逸ノ城もチャンスでしょう。
 大関の豪栄道は春場所で12勝を挙げたように、最近は安定感が出てきました。33歳になっても力は落ちていないし、稽古もできています。高安もそうですが、稽古をした人が強いということを示してもらいたいと期待しています。

 新入幕の志摩ノ海は気になる力士の一人です。しぶといおっつけは理想のおっつけです。13勝、13勝と2場所連続十両優勝を飾っての新入幕。基礎練習を繰り返して足の構えが良くなったことで押しが良くなったと聞きましたが、相撲は1ミリ、2ミリで変わってくるものです。どこまでやれるか楽しみです。

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2019年5月11日のニュース