一平、卒論“体現V” 新泳法&肉体改造で“リオ金”相当のタイム実現

[ 2019年4月8日 05:30 ]

競泳日本選手権第6日 ( 2019年4月7日    東京辰巳国際水泳場 )

男子200メートル平泳ぎ決勝、狙っていた世界記録更新はならず悔し気な渡辺一平(撮影・小海途 良幹)
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 世界選手権(7月、韓国・光州)の代表選考会を兼ねて行われ、男子200メートル平泳ぎで渡辺一平(22=トヨタ自動車)が自身の世界記録に0秒35と迫る好タイムで初優勝した。男子200メートル背泳ぎは入江陵介(29=イトマン東進)が2年連続12度目の優勝。女子200メートル平泳ぎは渡部香生子(22=JSS)が制した。

 2年前の己と競り合った。渡辺が自身の持つ世界記録を上回るペースで150メートルをターンすると、会場は地鳴りのような声援で揺れた。最後50メートルで伸びずに自己ベストに0秒35及ばなかったが、16年リオ五輪では金メダル、17年世界選手権で銀メダル相当の記録だ。スタートの浮き上がり直後のキックでミスしながら、2位に1秒55差をつけるぶっちぎりの優勝。代表入りも決めたが「ラストはへばって動かなかった。世界記録を狙っていたので、どちらかといえば悔しいレース」と満足していなかった。

 一かきで進む距離を追求してきた。150メートルまでの50メートルのごとのストローク数は13、14、15で、世界記録を樹立した17年1月のレースより1回ずつ少ない。3月に卒業した早大の卒論テーマは「平泳ぎ時の筋活動解析」。自らの体を筋電図で解析し、水中で持続的に力を発揮する能力が高いことを知った。その特長を生かせるシャープな体を目指し、ウエートトレでは重さより速さを重視。キックの細部の技術にもこだわり、練習後は内転筋や膝回りなど今までにない部位に筋肉痛が出るようになった。奥野景介コーチ(53)は「技術の向上は無限大」と強調する。

 次の目標は20年東京五輪の出場内定となる世界選手権での金メダル獲得。この日は昼寝ができないほど緊張しただけに、ラスト50メートルと、精神面の強化が課題となる。渡辺は「このタイムでは世界選手権で優勝できないと思う。世界記録を大幅に更新したい」と力を込めた。世界記録保持者しか味わえないシビれる戦いが続く。

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2019年4月8日のニュース