【林享の目】一平のタイムを高評価 いつでも世界記録を出せる!

[ 2019年4月8日 07:47 ]

競泳日本選手権第6日 ( 2019年4月7日    東京辰巳国際水泳場 )

男子200メートル平泳ぎ決勝、途中まで世界記録を上回るペースで泳いで優勝した渡辺一平(撮影・小海途 良幹)
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 世界記録には届かなかったが、渡辺のタイムは高く評価していい。今大会は萩野や池江といった男女の柱になる選手が不在で低調ムードも漂っていたが、平泳ぎはいつの時代も日本の競泳を引っ張る存在。その流れを引き継いでくれたと思う。

 準決勝の渡辺のラスト50メートルは32秒62で、世界新への準備は万全と確信していた。ところが決勝のラストは33秒59で、これが32秒台なら、と惜しまれる。原因は100メートルのターン後、顕著になった泳ぎの変化だとみる。頭を突っ込むようになり泳ぎが小さくなったことで、ストローク数も増えた。ストローク数が増える=水の抵抗を受ける機会も増える。ここで序盤と同じような大きな泳ぎをしていれば、違う結果になったと思う。

 この日は序盤から独り旅で、疲労度も高くなった。世界の舞台で前半から突っ込む選手についていく展開になれば、いつでも世界記録を出せるだけの潜在能力は示してくれたと思う。 (92年バルセロナ五輪100メートル平泳ぎ4位、東海学園大監督)

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2019年4月8日のニュース