羽生結弦が曲なしSP、曲ありフリーを熱演“4連続ジャンプ”も魅せた

[ 2019年3月20日 17:43 ]

フィギュアスケート世界選手権第1日 ( 2019年3月20日    さいたまスーパーアリーナ )

<世界フィギュア・練習>フリーの曲をかけて滑る羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
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 21日の男子ショートプログラム(SP)に向け、五輪連覇で3度目の世界選手権優勝を狙う羽生結弦(ANA)がサブリンクで調整した。

 リンクインからまだ2分しか経過していなかった。羽生は音楽がない中、脳内で旋律を奏でてSP「秋によせて」の演技をスタート。4回転サルコーに失敗すると、再びスタートラインに戻って最初から演技を始め、4回転サルコー、トリプルアクセル、トーループの4―3回転を決めてSPの仕上がりを確認した。

 半袖になるとトリプルアクセルからトリプルアクセルをつなげるなどジャンプを確認しながら、自身の曲かけの順番を待つ。フリー「Origin」が流れると、4回転ループの着氷がやや乱れ、後半のトーループも失敗したが、トリプルアクセルからのトリプルアクセルに成功。曲かけが終わると4回転トーループからトリプルアクセル―1回転オイラー―3回転サルコーのコンビネーションも着氷した。

 右足首を痛めた昨年11月17日のロシア杯以来、122日ぶりに試合会場で滑りを披露した19日は、4回転ループなど一日で合計24本の4回転ジャンプに着氷し、本番会場とサブリンクで練習を見つめたファンを魅了。この日もサブリンクは満員で、一挙一動に大歓声が上がった。

 負傷の影響でGPファイナルと全日本選手権を欠場。ライバルの滑りを見ることしかできなかった期間を「油はあるし、火もあるんだけど、ちっちゃい部屋の中で燃えている感じ」と表現。19日に本番会場で初練習を終えると「暴れ回る炎になれている」とした。

 世界選手権は14、17年に金メダルを獲得。初優勝の14年の会場は同じさいたまスーパーアリーナだった。「気持ち良く試合に臨めているなという感覚がある。相手に勝つだけじゃなく、自分に勝った上で、このすごく煮えたぎっている勝ちたいという欲求に対して、すごく素直に勝ちを取りたいと思う」。男子SPは21日。内なる激情に身を任せ、王者が決戦のリンクを支配する。

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