【岡崎真の目】宇野本来のジャンプではなかった

[ 2018年12月9日 07:37 ]

フィギュアGPファイナル第2日 ( 2018年12月7日    カナダ・バンクーバー )

男子フリー、優勝したネーサン・チェン(左から2人目)の横で悔しそうに銀メダルを見つめる宇野昌磨(左)と車俊煥(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 宇野は練習の時からあまり調子が良くなさそうに見えた。冒頭の4回転サルコーは踏み込んだときのエッジが少し爪先にかかりすぎ、滑らない分、無理やり跳びにいって、途中でほどけたようになってしまった。続く4回転フリップも着氷はしたものの、彼本来のジャンプではなく回転不足を取られた。

 4回転トーループは比較的いい感じだったが、2本とも少し行きすぎてコントロールが利かない感じだった。後半のトリプルアクセルや連続ジャンプ2つも無理やり跳んでいるような印象を受けた。それが彼自身のコンディションの問題なのか、氷の感じとスケートがかみ合わなかったのが原因なのかは分からないが、ジャンプに関しては少し苦労しているように見えた。

 ただ、それでもスピンやステップを丁寧にこなし、取りこぼさなかったのはさすがだ。演技点も優勝したチェンを上回って最高点を取っている。プログラムを見ているとあっという間に終わる感じだったし、全体として見ればこなれてきている。2位が多くてなかなか1位になれていないが、後はジャンプをしっかり合わせられれば特に心配はいらないだろう。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

続きを表示

2018年12月9日のニュース