宇野「自分にあきれた」主要国際大会6連続“銀”「羽生選手のように…僕もそうならないと」

[ 2018年12月9日 05:30 ]

フィギュアGPファイナル第2日 ( 2018年12月7日    カナダ・バンクーバー )

男子フリー、晴れやかな表情で演技を終える宇野。主要大会6連続銀メダルに終わった(撮影・小海途 良幹)
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 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位の宇野昌磨(20=トヨタ自動車)は183・43点、合計275・10点で2位となった。ジャンプにミスが相次ぎ、日本勢2年ぶりの優勝はならなかった。主要国際大会で6連続準優勝となった宇野は、五輪連覇の羽生結弦(24=ANA)を引き合いに、自らの勝負弱さを課題に挙げた。8日(日本時間9日)には女子フリーが行われる。

 これも生みの苦しみか。演技を終えた宇野は、複雑な表情を浮かべていた。フリーの得点は183・43点にとどまり、連覇を許したネーサン・チェンとの差は合計点で7・32点に広がった。またしても頂点に届かなかった。

 「全然、自分でも満足しきれない演技。それ以上に申し訳ないという思い。試合が終わって最近ずっと同じような気持ちで“次の試合頑張りたいです”と言い続けている。自分にあきれた」

 SPから引きずった悪い流れを断ち切れなかった。冒頭の4回転サルコーが3回転となり、両足で着地。終盤2つの連続ジャンプでも後半にミスが出た。技術点93・29点はスケートカナダ、NHK杯の今季GPシリーズ2戦をも下回った。この日の公式練習では前日に失敗した4回転トーループを跳んで感覚を取り戻す一方で、曲を流した練習では1本もジャンプを跳ばずにイメージだけを膨らませた。「無駄に自分の自信をなくすことをしないように」。試合までのアプローチを変えて臨んだが成果は出なかった。

 これで主要国際大会では6大会連続で準優勝。「僕だけが悔しい思いをしているわけじゃない」。樋口コーチやスタッフ、自分を支えてくれる人のためにもシルバーコレクターのレッテルを剥がしたかった。自らの勝負弱さを痛感すると、大きな存在が頭をよぎる。「羽生結弦選手が毎回やっているように、プレッシャーに打ち勝って、素晴らしい結果を残して、素晴らしい選手になる。僕もそうならないといけない」。五輪連覇の絶対王者を引き合いに自戒を込めた。

 それでも落ち込む暇はない。21日には3連覇を狙う全日本選手権が開幕。来年2月に四大陸選手権、3月には世界選手権がある。「(スケートを)いずれ楽しめない日が来る。いつかその日が来ると気づいた。自分にプレッシャーをかけていい演技をしたい」。自分の弱さを知ったファイナルを経て、宇野は強くなる。

 《羽生は全日本出場未定》21日開幕の全日本選手権に羽生が出場するかどうかは現時点では未定だ。週明けに結論を出す予定。3枠の世界選手権(来年3月、さいたまスーパーアリーナ)代表入りを巡って、5季ぶりに復帰した高橋大輔(関大KFSC)、平昌五輪代表の田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)、今年3月の世界選手権5位の友野一希らが争う。

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