姜秀衍、涙の旅立ち 指導者転身…後輩育てて「ゴルフ界に恩返し」

[ 2018年10月22日 05:30 ]

女子ゴルフツアー NOBUTA GROUP マスターズGCレディース最終日 ( 2018年10月21日    兵庫県 マスターズGC=6528ヤード、パー72 )

現役最後の試合を終えた姜秀衍(左)はイ・ボミから花束を受け取り笑顔(撮影・沢田 明徳)
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 涙をこらえ切れなかった。姜秀衍は最終9番で80センチのパーパットを打つ前に仕切り直しをして目頭を押さえた。「これを入れたら、もうグリーンを踏むことはない」。万感の思いを込めラストパットを沈めると、ギャラリーに深々とおじぎをした。

 「心に穴があいたような寂しい気持ちです。クラブハウスに戻るまで拍手をしてもらい、感動的で忘れられない一瞬になりました」。96年に韓国ツアーでアマチュア優勝を飾ってから22年。韓国で8勝、米国で1勝を挙げ11年から参戦した日本では3勝。近年は首痛などに悩まされ、思うように結果を残せず「体力的にはもう少しやれたかもしれませんが、後輩たちに(自分の)席を譲る時ではないかと思いました」と現役引退を決意した。優しい人柄で、日本選手にも慕われた。予選落ちしたイ・ボミもこの日、コースに足を運び惜別の花束を渡した。「本当に寂しいです。偉大な先輩でいろいろなアドバイスをもらいました」と感謝した。

 第二の人生は韓国にある自らの名前を冠したゴルフスクールで指導者の道へ。「たくさんのゴルファーを育ててゴルフ界に恩返しをしたい」。卒業の秋は新たな幸せが始まる旅立ちの秋でもある。

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2018年10月22日のニュース