福原愛 引退表明「やりきった」 結婚、出産経て29歳の決断

[ 2018年10月22日 05:30 ]

現役引退を表明した福原愛
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 卓球女子の12年ロンドン五輪団体銀メダル、16年リオデジャネイロ五輪銅メダルの福原愛(29=ANA)が21日、自身のブログで現役引退を表明した。3歳で競技を始め、幼い頃から“泣き虫愛ちゃん”として親しまれ、卓球人気をけん引。11月1日の30歳の誕生日を前にラケットを置き、今後は卓球界のさらなる発展に尽力する。

 泣いて笑って、また泣いて、幼い頃から親しまれてきた福原が、30歳を前に大きな決断を下した。「競技活動についてのご報告です」と題して3カ月半ぶりにブログを更新。3歳で卓球を始めてから約26年。卓球で日本初の五輪メダルを獲得するなど日本の黄金時代の礎を築いた功労者は「私は選手としての立場を、ここで一区切りつけることを決意しました」とつづった。

 福原はリオ五輪後の16年9月に台湾の江(コウ)宏(コウ)傑(ケツ)(29)と結婚。当時の会見では、「私が頑張ることで、新しい道を後輩のためにも切り開くことができたらいい」「日本代表として試合に出られるのは誇り」などとコメント。20年東京五輪にも意欲を見せ、昨年10月に長女を出産しても、「卓球界を引っ張っていくため、子育てをしながら競技を続ける必要があると思っていました」と話していた。

 だが、リオ五輪後に実戦から離れ、24日開幕の新リーグ「Tリーグ」の理事も務めるなど、競技外の活動をすることで考え方は変化。「新しいお仕事などに携わる中で、周りの方々が私に求めるものが、これまでと違ってきていると感じることもありました」。そして、「最近ようやく自分の中で答えが見つかりました」と説明した。

 決断の背景には、頼もしい後輩の存在がある。福原に憧れ、福原を追い越そうとしてきた石川佳純(25=全農)、さらにその下の世代の平野美宇(18=日本生命)、伊藤美誠(18=スターツ)らが世界で活躍する。「この2年間で次世代の選手たちが大きな成長を遂げ、日本の卓球界全体が以前より盛り上がってきました」とし、「私が選手としてできることはやりきった、頑張り抜いた」「もう私が選手として卓球界を引っ張っていかなくても大丈夫」と続けた。

 今後はTリーグの盛り上げや選手の環境整備など、卓球界のさらなる発展に尽力する。「卓球以外のことをほとんど経験したことがないので、皆様にご迷惑やご心配をおかけすることもあるかと思いますが、一歩ずつ前に、自分らしく、人生を終える時に今日のようにやりきった、と思える日々を過ごせるよう、これから邁進(まいしん)していきます」。福原の第二の卓球人生が今、始まった。

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