東北福祉大・金谷、松山以来アジア制した!マスターズ切符獲得

[ 2018年10月8日 05:30 ]

男子ゴルフ アジア・パシフィック・アマチュア選手権最終日 ( 2018年10月7日    シンガポール セントーサGCニュータンジョン=6847ヤード、パー70 )

アジア・パシフィック・アマチュア選手権で優勝した金谷(左)と2位の中島
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 2打差の3位から出た20歳の金谷拓実(東北福祉大2年)が7バーディー、2ボギーの65で回り、通算13アンダーで逆転優勝した。日本勢の制覇は2010、11年大会を連覇した松山英樹(26=LEXUS)以来2人目。来年4月のマスターズと、7月の全英オープンの出場権を獲得した。中島啓太(代々木高3年)も通算11アンダーの2位に入り、来年の全英オープン最終予選会出場権を手にした。

 最終18番。1・5メートルのパーパットを決めた金谷はガッツポーズでギャラリーの声援に応えた。松山英樹以来7年ぶりの日本人制覇。マスターズへの扉をこじあけた。「最後はやっと終わったという思いで、少しうるっときてしまいました。とても夢のよう。マスターズは小さい頃からの目標だった」と喜びを爆発させた。

 2打差を追って序盤から飛ばした。パー4の1番で第2打を50センチに寄せるバーディー。「パットが良かった」と言う通り、3〜4メートルを次々に沈めて伸ばした。同じ最終組の中国とフィリピンの2人は後退。優勝を争う相手は、途中単独トップに立った2歳下の中島となった。「日本人同士でやりづらかった」と言うが、後半伸び悩んだ中島に14番でスコアを伸ばして並ぶと、15、16番と3連続バーディー。勝負どころの強さが際立った。

 昨年4月。大学の先輩でもある松山と初めて練習ラウンドを行い、「アイアンショットもそうだが、ドライバー(ショット)が凄い」と刺激を受けた。週4日は大学のトレーニング施設にこもってトレーニング。肉体改造で、体重は2年前に比べ10キロ増えて73キロ。飛距離も280ヤードまで伸びた。

 松山はこの大会の連覇をきっかけにし、マスターズでローアマに輝くなど、世界へ羽ばたいた。目標とする先輩からはホールアウト後に電話をもらい、「マスターズで待っている」と言われたという。「オーガスタは出るだけではなく、しっかり予選を通過してローアマを獲れるようにしたい」。20歳はもう半年後の大舞台を見据えていた。

 【金谷 拓実(かなや・たくみ)】

 ☆生まれとサイズ 1998年(平10)5月23日生まれ、広島県呉市出身の20歳。1メートル72、73キロ。

 ☆ゴルフ歴 5歳から始める。広島国際学院高2、3年時に全国高校ゴルフ選手権春季大会連覇。15年日本アマチュア選手権を17歳51日の史上最年少で制覇。17年日本オープン2位。高3で男子ツアーの最終予選会に挑戦も上位突破できず、プロ転向を断念し東北福祉大へ進学。

 ☆黄金世代 畑岡奈紗、勝みなみらと同学年。ナショナルチームで一緒になった勝とはライン友達。「めっちゃおもしろい子で、前向きな考え方は勉強になる」。

 ☆得意クラブ パター。名手のスティーブ・ストリッカーの動画などを見て研究している。ちなみに歩く時は「姿勢がいい」アダム・スコットをまねている。

 ☆鯉党 マツダスタジアムに足を運ぶほどのプロ野球広島の大ファン。大学入学後は遠のき、「仙台ではテレビ放送もないし、つまらないです」。

 ≪中島「今までで一番悔しい」≫8月のアジア大会で個人、団体の2冠に輝いた中島はあと一歩及ばず2位だった。4つ伸ばして迎えた17番パー3で50センチを外し、3パットのボギー。「チャンスがあったので、今までで一番悔しかったです」と唇をかんだ。それでも全英オープンの最終予選出場権はゲットした。「全英は一番好きだし、一番勝ちたい大会。ぜひ本番への出場権を手にしたい」と意欲を見せた。帰国後、11日開幕の日本オープン(横浜CC)に出場する。

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