内村3年ぶりV 世界選手権へ手応え 現行ルール自己新も冷静

[ 2018年9月16日 05:30 ]

体操 全日本シニア選手権 ( 2018年9月15日    北九州市立総合体育館 )

体操全日本シニア選手権 男子個人総合で優勝した内村の床運動
Photo By 共同

 男子個人総合で、内村航平(29=リンガーハット)が87・750点をマークし、3年ぶり5度目の優勝を飾った。17年以降の現行ルールでは5月のNHK杯の86・965点を上回る自己ベスト。難度を上げながら大きなミスなくまとめ、世界選手権(10月25日開幕、カタール・ドーハ)に向けて大きな手応えをつかんだ。

 驚異的なハイスコアにも、内村は冷静だった。「点がちょっと出すぎかなという印象があった」。床運動でラインオーバーの減点がありながら、87・750点は自己ベスト。自身が生まれた北九州市での試合ということもあり、「九州でやっているし、お祭り的な要素があっていいかな」と笑みを浮かべた。

 世界選手権前のラスト実戦で、NHK杯よりも難度を上げた。特に昨年の世界選手権予選で棄権に追い込まれた因縁の種目、跳馬では今季跳んでいたDスコア5・2点の「シューフェルト」から5・6点の「ヨー2」に。着地で2歩、動いたため「力みすぎた跳躍になった」とする一方で、「久々に高難度の技を着地できてうれしかった」と胸を張った。

 種目別では平行棒、鉄棒で1位。大舞台を前に状態は確実に上向いている。「みなさん長年僕の演技を見てきて、久しぶりに“あの感じ”が見られたんじゃないかと思う」。“あの感じ”が示すのは、ミスなく美しく演技を積み重ねる安心感。団体連覇と個人総合のV奪回へ、キングから死角が消えた。

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