桃田 世界1位下し日本勢初V王手「気持ちの勝負」、劣勢覆す

[ 2018年9月16日 05:30 ]

バドミントン ダイハツ・ヨネックス・ジャパン・オープン第5日 ( 2018年9月15日    東京都調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ )

ジャパン・オープン男子シングルス準決勝 アクセルセンを破った桃田
Photo By 共同

 各種目の準決勝が行われ、男子シングルスでは今年の世界選手権を制した桃田賢斗(24=NTT東日本)が世界ランキング1位の昨年覇者、ビクトル・アクセルセン(24=デンマーク)をストレートで下し、同種目の日本勢初制覇に王手をかけた。女子シングルスの奥原希望(23=日本ユニシス)、女子ダブルスの福島由紀(25)、広田彩花(24)組(岐阜トリッキーパンダース)も決勝に進んだ。

 第1ゲーム、桃田は13―17の劣勢に立たされても慌てなかった。「技術じゃない。気持ちの勝負。1球でも多く相手コースに返そうと思った」。スマッシュを拾われ、攻め手を欠く苦しい展開の中、ひたすら粘ってラリーを続けた。相手のミスを誘発して6連続得点。違法カジノ問題の謹慎中に鍛えたフィジカルを生かした守備が、逆転劇を生んだ。

 第2ゲームは序盤から好スマッシュを連発し「1ゲーム目を取れたので、スムーズに行けた」とあっさり連取した。昨年の世界王者に対して今季3戦3勝。通算成績でも9勝2敗とし「最初は勝てたらラッキーだと思っていたけれど、今は勝てるだろうという(周りの)雰囲気で苦しい」と冗談めかして笑顔を見せた。

 コート外でもトップ選手として自覚が芽生えている。選手に声をかけてサイン入りのユニホームなどを提供してもらい、西日本豪雨や北海道胆振東部地震の被災者のためのチャリティーオークションを実施。「ほとんど奥原にやってもらってますけど、自分で言い出しました」と照れくさそうに明かした。

 決勝の相手は世界26位のフェトラダブ(タイ)。「勝ち負けよりも成長した姿を見てもらいたい」。初優勝を目前にしても、謙虚な姿勢を崩さなかった。

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