稀勢 我慢、ヒヤリ…苦闘も連敗免れた「しっかりやりました」

[ 2018年9月16日 05:30 ]

大相撲秋場所7日目   ◯稀勢の里―千代の国● ( 2018年9月15日    両国国技館 )

千代の国(右)の張り手をしのぐ稀勢の里(撮影・沢田 明徳)
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 進退を懸ける横綱・稀勢の里が連敗を免れた。平幕・千代の国に右上手を許して頭をつけられて棒立ちとなるなど苦しみながら、相手の投げに体を寄せて寄り切り。勝負が決まったあとに投げられたものの、1敗を守った。他の横綱は、白鵬が遠藤の腰砕けで勝ち、鶴竜は正代を押し出し、ともに7連勝。大関・高安、平幕・北勝富士も全勝を守った。

 横綱は青房下に転がった。それでも木村玉治郎の軍配は稀勢の里に上がっていた。千代の国の足が出てから投げを食らった横綱は、勝ち名乗りを受け土俵を下りると、苦笑いのような表情を浮かべた。

 「まあ、しっかりやりました」

 そう振り返ったように、1分近い相撲は我慢の連続だった。先手を取られ、突き、喉輪を必死に耐えた。いなされても懸命に残した。左下手を取ったが、頭をつけられて棒立ち。立て続けに上手投げを放たれたところで体を寄せ、なんとか勝ちきった。相手の足が出ていたのは見えていたかという問いには「うん」と答えた。

 6日目の千代大龍戦で金星を奪われた。横綱昇進後、黒星の翌日は不戦敗を除き8勝6敗。2日以上連続で金星を配給した昨年九州場所、今年初場所はともに途中休場となった。連敗は許されない状況での勝利。直前の取組で千代大龍が右足に落ちてきたが、アクシデントもはねのけた。

 初日から気迫のこもった相撲が続く。八角理事長(元横綱・北勝海)は頭から当たった立ち合いについて「気合が入っているから頭でいける。そういう立ち合いをしてるから残れる」と評価した。

 中日の小結・玉鷲戦を皮切りに、後半戦はほぼ役力士との対戦となる。実力者が立ちはだかる中、貴乃花親方(元横綱)は「逆に上位の方がやりやすい。やってる番数が違うから」と見ている。貴乃花親方は現役時代、7場所連続全休から出場した02年秋場所で千秋楽まで優勝争いに絡んだ。「明日、しっかり集中していく」。稀勢の里も必死に食らいついていく。

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