【玉ノ井親方 視点】術中にはまった稀勢 尾を引く負け方ではない

[ 2018年9月15日 08:30 ]

大相撲秋場所6日目   ●稀勢の里―千代大龍○ ( 2018年9月14日    東京・両国国技館 )

千代大龍(右)に押し出しで敗れる稀勢の里(撮影・沢田 明徳)
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 稀勢の里は相手の術中にはまった感じだね。左差しを狙って安易に出たところを千代大龍にうまく回り込まれて、左からおっつけられた。差して出ようとしたのはいいけど、体が密着していなかった。腰が高いし何より右が使えていなかった。

 向こうは立ち合いで、左から思い切りはじいてくる上に引きもうまい。当たり負けしないように出るのはいいけど、もう少し落ち着いて取った方が良かった。4日目、5日目と比べ相撲が雑な印象を受けたよね。まだ相撲に波があるのかな。

 ただ、この一番は尾を引く負け方ではない。きょう7日目の千代の国は思い切り突き放してきたり、横から揺さぶるのがうまい。安易に出ていくとまた向こうの策にはまってしまうだろうから、今度はしっかり自分の形になって、前に出る相撲を心掛けるべきだろうね。 (元大関・栃東)

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2018年9月15日のニュース