稀勢、13個目金星配給 千代大龍に不覚 連勝5でストップ

[ 2018年9月15日 05:30 ]

大相撲秋場所6日目   ●稀勢の里―千代大龍○ ( 2018年9月14日    東京・両国国技館 )

千代大龍(右)に押し出しで敗れる稀勢の里(撮影・沢田 明徳)
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 進退を懸ける横綱・稀勢の里が不覚を取った。平幕・千代大龍の引きに乗じて出たが、いなされてバランスを崩し、押し出された。初日からの連勝は5で止まり、13個目の金星配給となった。他の横綱は、白鵬が行司軍配差し違えで平幕・正代に勝ち、鶴竜は危なげなく小結・玉鷲を退け、ともに全勝を守った。大関・豪栄道は大関獲りの関脇・御嶽海に土をつけた。

 今場所初めて座布団が舞った。それを許してしまったのが、進退を懸ける稀勢の里だった。6日目で喫した初黒星。支度部屋ではなかなか言葉が出てこない。「明日は明日で、またやっていきたい」。そう答えただけだった。ただ、髪を直している間は頬を緩める瞬間もあった。

 白星を並べてきた5日間とは打って変わって、立ち合いは左足から踏み込んだ。過去の千代大龍戦はどちらの足でも踏み込んでいたが、直近に勝った昨年九州場所は左足だった。そのイメージで臨んだのだろうが、千代大龍は思いのほか当たってこなかった。この時点で歯車は微妙に狂っていた。

 突き押しに対応して前に出たが、腰高を突かれていなされ、横向きに。もう踏ん張れる体勢ではなかった。高田川審判部副部長(元関脇・安芸乃島)は「自分から突っ込んでいった。もうちょっと落ち着いて取ればよかった」と慌てて前に出たことを敗因に挙げた。

 新横綱で優勝した昨年春場所は平幕に全勝したが、その後は出場した場所全てで敗れている。在位10場所目で13個目の金星配給。昨年九州場所、今年初場所では3日連続で金星を配給しているように、一つの黒星から崩れて休場に追い込まれた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「まあ明日からでしょう」と話したように、黒星の後にどういう相撲を取るかが重要になってくる。きょう7日目の相手の千代の国にも金星を奪われるようなら、流れが一気に変わってしまう可能性もある。一日たりとも気が抜けない土俵が続く。

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2018年9月15日のニュース