カーター上々神鋼デビュー 元NZ代表SO ワールドクラスの実力発揮

[ 2018年9月15日 05:30 ]

ラグビー・トップリーグ第3節   神戸製鋼36―20サントリー ( 2018年9月14日    秩父宮 )

前半、トライを決める神鋼・カーター(撮影・吉田 剛)
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 神戸製鋼が2連覇中のサントリーに36―20で4年ぶりに勝利し、開幕2連勝とした。ワールドラグビーの最優秀選手賞を3度受賞した超大物助っ人、SOダン・カーター(36=ニュージーランド)が先発フル出場で日本デビュー。1トライ2G4PGの21得点で王者撃破に貢献した。出場予定だった前節は北海道胆振東部地震の影響で延期になったが、ワールドクラスの実力を発揮した。

 司令塔でチームは変わる。それが世界一の名手ならなおさらだ。5―0の前半8分。神戸製鋼SOカーターは右中間から約30メートルのPGを、黄金の左足で日本初得点を決めた。同22分は自陣からのカウンターに参加。右ライン際を抜けたWTB山下楽からのパスを受けて初トライを挙げた。

 「神戸の赤いジャージーをやっと着られてうれしい。今日という日を誇りに思う」

 フル出場で36得点のうち21得点を叩き出し、マン・オブ・ザ・マッチを獲得。空いたスペースをキックで突き、自ら何度も仕掛けた。賢さと体の強さも見せて王者サントリー撃破に導いた。「新しい国は最初に力を証明しないと、チームの信頼を得ない。だから緊張した」

 ニュージーランド代表で2度のW杯優勝、ワールドラグビーの最優秀選手賞3度受賞のスーパースターの加入は、かつてない反響を呼んだ。神戸市内での練習に、異例のファン40〜50人。サイン欲しさに混乱が生じ、8月末から練習が非公開になるほど過熱した。注目はこの日も同じ。指定席は前売りで完売し、1万7576人の大入り。アウェーの秩父宮をホームの雰囲気に変えた。

 いきなり活躍できたのは、チームに溶け込む努力をしてきたから。来日3カ月。寿司や神戸牛を仲間と外食し、親睦を深めてきた。オールブラックスから身を引いたとはいえ、技術は全くさびていない。日頃の練習を引き揚げるのはいつも最後。名門を03年以来のリーグ制覇に導くために本気だ。愛称「DC」に触発され、SH日和佐ら新加入選手も大暴れ。今季の神鋼は間違いなく強い。

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2018年9月15日のニュース