鈴木 初マラソンでV!東京五輪目指しMGC切符獲得

[ 2018年8月27日 05:30 ]

北海道マラソン ( 2018年8月26日    札幌市・大通り公園発着 )

<北海道マラソン>女子で優勝し、2020年東京五輪マラソン代表選考会の出場権を獲得した鈴木亜由子
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 女子は2016年リオデジャネイロ五輪長距離代表で初マラソンの26歳、鈴木亜由子(日本郵政グループ)が2時間28分32秒で、男子は34歳の岡本直己(中国電力)が2時間11分29秒で優勝し、来年9月に実施される20年東京五輪代表選考会(MGC)の出場権を獲得した。MGC出場権はこのほか、男子で3位の谷川智浩(コニカミノルタ)、4位の大塚祥平(九電工)、5位で12年ロンドン五輪6位の中本健太郎(安川電機)が2時間13分を切り、手にした。

 鈴木はレース序盤にポンポンと肩を叩かれた。隣を見ると男子一般参加で名大時代の陸上部同期がいた。「安心した」。初マラソンに挑む気持ちに余裕が生まれ、冷静なレースに結びつけた。

 谷本が10キロすぎで飛び出し、25キロで1分近い差。大学同期に引っ張られる形で追い上げ、33キロで逆転した。両手を広げてゴールすると「練習とは違う疲労感。これがマラソンかな。トラックとは違う達成感がある」と喜びをかみしめた。

 800メートル、1500メートルの中学女王。大学ではユニバーシアード1万メートルV。社会人になり、世界選手権やリオ五輪に出場した。「上下動の少ないピッチ走法はマラソン向き」(瀬古利彦・マラソン強化戦略プロジェクトリーダー)で、待望のヒロイン誕生だった。

 だが、1月に右足甲の疲労骨折が判明し、描いていたマラソン挑戦が遅れた。ライバルの松田瑞生が1月の大阪で優勝、3月の名古屋は後輩の関根花観が日本勢最高の3位。「もどかしかった」と振り返り、「今日を第一歩に。可能性が広がった」と2年後の東京五輪を見据えた。

 ◆鈴木 亜由子(すずき・あゆこ)1991年(平3)10月8日生まれ、愛知県出身の26歳。県内屈指の進学校・時習館高で本格的に競技を開始。名大ではユニバーシアードカザン大会1万メートルで優勝。日本郵政グループ入りし、16年リオ五輪は5000メートル、1万メートル代表。今年6月にマラソン挑戦を表明。座右の銘は「得意淡然失意泰然」。1メートル54、38キロ。

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2018年8月27日のニュース