出水田 恩返し初優勝!“見えない力後押し”祖父命日に決めた

[ 2018年8月27日 05:30 ]

男子ゴルフツアー RIZAP・KBCオーガスタ最終日 ( 2018年8月26日    福岡県 茶屋GC )

ツアー初優勝を果たし、秋吉(左)の祝福に笑顔の出水田
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 大器・出水田大二郎(25=TOSS)がツアー初優勝を飾った。首位タイで出て後半2ボギーで並ばれたものの、終盤の17番でバーディーを決め69とまとめて通算14アンダーで逃げ切った。今平周吾(25=レオパレスリゾートグアム)が68と追い上げ2打差の3位。石川遼(26=CASIO)が67で回り通算10アンダーの7位に入った。

 出水田は18番で80センチのウイニングパットを震えながら打った。決まった瞬間、号泣しながら駆け寄ってきた先輩の秋吉と抱き合って喜んだ。「(秋吉が)泣いているのを見て(涙が)引っ込んだというか。そっちが泣いているんだ、みたいな感じでした」と笑いながら振り返った。

 最終日は重圧との闘いだった。前半は持ち味の飛距離を生かし3バーディーを奪って一時は2位に3打差をつけた。しかし後半はショットがブレて14、16番でボギー。「(首位に)並ばれたのは分かりました。でも18番がパー5だったので、そんなに焦りはなかった」と直後の17番で6メートルのバーディーを奪い、そのまま逃げ切った。

 見えない力に後押しされた。この日は4年前に80歳で亡くなった祖父・潤一さんの命日。コースに応援に駆け付けた母・とも子さん(59)はスタート前にLINEで「今日はおじいちゃんの命日だから、絶対に味方してくれる」と連絡。出水田は「じゃあ頑張る」と返信した。

 プロ2年目の19歳時に2部のチャレンジツアーでいきなり優勝した逸材。だが鹿児島県鹿屋市の実家を離れ宮崎市で1人暮らしをして、低迷。「調子に乗って練習もせず飲みに行ったりダラけていた」。見かねた両親に「このままじゃいかんぞ」と諭され4年前に実家に戻った。それから成績も安定するようになったという。

 この優勝で20年までのシード権を確定させた。今後のゴルフ人生の目標を聞かれた25歳は「東京五輪に出てみたいです。頑張ってその候補くらいにいければ」と真っすぐ前を見据えて言い切った。

 ≪秋吉“弟分”に歓喜の涙≫17位で終えた秋吉が“弟分”である出水田の初Vを祝福した。18番で優勝の瞬間を涙で見守り、「まさか自分の優勝では泣かず、後輩の時に泣くとは。自分のことのようにうれしく思う」と笑顔。2人は小田孔明をリーダーとする「チーム孔明」で、小田も前夜にLINEで「優勝しろよ」と激励していたという。秋吉は「優勝したことでゴルフ人生が変わると思う。もっともっと自分のゴルフをしてほしい」とエールを送った。

 ◆出水田 大二郎(いずみだ だいじろう)☆生まれ 1993年(平5)2月5日生まれ、鹿児島県出身の25歳。

 ☆サイズ 1メートル83、89キロ。

 ☆ゴルフ 父・勇光さんの知人で、横峯さくらの父・良郎氏が主宰する「めだかクラブ」でゴルフを始め、樟南高時代は08年から九州ジュニア3連覇。11年にプロ転向し、12年の中日クラウンズでツアーデビュー。

 ☆飛距離 今季から1Wのシャフトを10グラム軽くし、飛距離が5ヤードアップして295ヤードに。

 ☆好きなアイドル HKT48の田中美久で第3日のスペシャルステージで対面。番号交換は実現せず「チャンスがあればと思ったが、なかったですね」と苦笑い。

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