日大 緊急会見一問一答 内田前監督「私からの指示ではございません」

[ 2018年5月24日 05:30 ]

会見する内田前監督(右)と井上コーチ(撮影・沢田 明徳)
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 日大アメリカンフットボール部の宮川泰介選手(20)が悪質な反則行為で関学大QBを負傷させた問題で、内田正人前監督(62)と井上奨(つとむ)コーチ(30)が23日、東京都千代田区の日大会館(本部)で緊急会見し、改めて負傷を目的とした反則の指示を否定した。

 ――今回の件は誰の指示で起きたのか?

 内田前監督(以下、内田)「タックルをしろということは、信じてもらえないが、私からの指示ではございません。フィールドで起こったことですので、それは試合が終わるまでは私の責任です」

 井上コーチ(以下、井上)「監督から僕に、ケガをさせてこいという指示はありませんでした。宮川選手にQBをつぶしてこいと言ったのは事実です」

 ――宮川選手が自分自身の判断でケガをさせたという認識か?

 内田「彼は非常に力があり、もっとできるんじゃないかというのはあった。ただ、ルールの中で行うというのが基本で考えている。まさかああいうことになったというのは正直予想できなかった」

 井上「彼がとんでもない重圧を受けて、本当に目の前が見えなくなったのかなと思っています」

 ――その場でなぜ注意しなかったのか?

 井上「次のプレーも行かせたいというのが正直なところ。判断ミスだったと思っている。僕自身も固まってしまった」

 ――1プレー目の反則の後で宮川選手を退場させるなど措置はとらなかったのか?

 内田「ビデオを見るまではどの程度の反則か分からなかった。最後の小競り合いは分かった。そのほかは正直抜け落ちていたのが正直なところ」

 ――映像を見たのはいつか?

 内田「最初に見たのは、どこのスカウティングビデオか分からないが、俗に言うネットです。9日くらいに確認しました。ネットにこういうビデオが出ていますよと。何で?というのが気持ち」

 ――ケガさせろとは言っていない?

 井上「言っていない。思いっきり、それくらいの気持ちで行ってこいと。その意味で言いました」

 ――コーチはプレーを見ていたのか?

 井上「DFラインのコーチなので見ていた。1プレー目でああいう形で僕は想定していなかった。少し違うなと思った」

 ――実際はどういう指示だったのか?

 井上「思いっきりいけ。つぶしにいけということはいろんな意味があった。つぶしに行くことで思いっきり行くこと。正直いろんな意味が込められている。もう一つ上のレベルというか(宮川選手は)技術的に伸びるのも止まっていると思った。どういうところを変えたいかと言えば、中身の部分。闘争心、向上心、必死にやってほしかったんです。フットボールを」

 ――関学大を弱体化させるために宮川選手を使ったのか?

 内田「今の日大があるのも強い関学大があるから。その関学大が弱くなって日大が強くなるというのはあり得ません。切磋琢磨(せっさたくま)して強くなるもの」

 ――実戦練習を外したり代表を辞退させた理由は?

 内田「彼の場合は指定席は設けてない。下級生を使ったり上級生を使ったり。それを交代で出している。オールスター(学生日本代表)の件は、あの時点では宮川君は参加しないという話にはなっていなかった。我々もケガがあったり、オールスターになってローテ頻度が高い選手は日大の秋の大会に響いてしまう。そこは考える余地はある。あの時点で代表からは外していない」

 ――宮川選手とコミュニケーションは取れていたのか?

 内田「僕はほとんどないです。1週間に何日もいられるわけではない。コミュニケーション不足はあったと思います」

 ――日大広報部は「1プレー目で(相手の)QBをつぶせ」という発言は認めているが?

 内田「発言はしていない。1プレー目は大事なところ。コーチは、1プレー目からちゃんとやりなさいよ、という指示だと思います」

 ――長年指導してきた宮川選手がうそをついているのか?

 井上「間違っているとは思っていない。昨日発表したことは、彼の思っていることは合っていると思う」

 ――宮川選手やコーチに責任を押しつけていないか?

 内田「我々は宮川をそういうふうには思っていない。高校から始めて将来性がある選手、いい選手になってもらいたい。そこに責任を押しつけるとは毛頭思っていない。うちのコーチは厳しいんですが、学生に対しては親身によくやってくれるコーチです」

 ――宮川選手が追い込まれていたと感じたか?

 内田「追い込まれたことは客観的に判断することは難しい。結果的にこういうことになると追い込まれたということになる」

 井上「厳しいことも言った。彼が嫌だな、精神的にしんどいなと思うことも言っていた。それも含めて乗り越えてほしいというか、彼のプレーと心の成長につながればと。責任は感じている。高校から僕は見ていまして、本当に申し訳ないと思っています」

 ――この段階で会見を開いた理由は?

 内田「僕のやり方だとじかに電話で話し合って出向く。優先は出向いて謝罪。(関学大に)謝罪してから、皆さんにお話しするのが筋だと思う」

 ――宮川選手とは会見後に連絡は取ったか?

 内田「連絡は取ってない。彼の資格停止を解除してほしい。それよりも先に、フットボールに戻ってきてほしいというのが率直」

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