【松岡修造氏が語る全仏OP展望】錦織 体力&精神面整えばナダル倒せる

[ 2018年5月24日 09:00 ]

全仏の展望を語る松岡修造氏
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 テニスの4大大会、全仏オープンは27日からパリ・ローランギャロスで開幕する。右手首のケガから復帰した錦織圭(28=日清食品)は、今季クレー初戦のマスターズ・モンテカルロ大会で準優勝。大坂なおみ(20=日清食品)も3月にツアー初優勝を飾り、両者とも活躍が期待されている。大会を中継するWOWOWで解説者を務めるスポーツキャスターの松岡修造氏(50)がその展望を語った。

 全仏11度目の優勝を狙うナダル(スペイン)をどうやって崩すか。男子のテーマはそこにつきる。バックハンドが強化され、守備的なプレーではなく攻撃してくる。しかも5セットで、ナダルが大好きな全仏。うーん…、僕が見ている限りは崩しようがない。

 お世辞ではなく、勝てる可能性があるとしたらデルポトロ(アルゼンチン)と圭だ。圭の場合は体力的、精神的にしっかりしたものが整っていることが条件。ケガをしてからフォアの強打はまだ本来のものになっていない。準優勝したモンテカルロもフォアは5割程度。攻撃せず、ループ系のボールを打っていた。そこが戻ってくれば可能性としてはある。

 デルポトロには何と言ってもフォアの強打がある。度重なる手首のケガがあったが、バックハンドも合わせるだけでのショットではなく、かなり良くなってきた。若手のA・ズベレフ(ドイツ)やティエム(オーストリア)も挙げたいが、経験値と総合力を考えたらあのナダルには勝つのは難しいだろう。

 今のナダルのプレーは、コートの後ろ側で走り回っていたかつてのスタイルではない。凄い闘志でボールを追うというのではなく、押されても即座に打ち返してくる。特にバックのクロスが良い。これまでなら“ただ単にコートに入れるバックハンドが返ってくる”とのんびりしていられたのに、そこでむちゃくちゃ攻撃されてしまう。だから相手は落ち着いていられない。

 正直に言えば圭にはナダルと当たってほしくない。ランキング的には早い段階で対戦する可能性もあるだろうが、そんな“目くらまし”の感覚で勝てるナダルじゃない。本当に強い。圭としてはナダルに勝たなければ面白くないだろうし、僕もそれこそが本当の王者だと思う。ただし4大大会優勝を考えるなら、当たらない方がいいに決まっている。それが正直な気持ちだ。

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