貴景勝 稀勢撃破、今場所2個目金星 兄弟子暴行被害にも無心

[ 2017年11月16日 05:30 ]

大相撲九州場所4日目 ( 2017年11月15日    福岡国際センター )

大相撲九州場所4日目 貴ノ岩と書かれた浴衣を着る貴景勝
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 兄弟子の貴ノ岩が日馬富士の暴行により休場した場所で、幕内最年少の21歳が奮闘している。稀勢の里を破った貴景勝はNHKのインタビューを終えて支度部屋に戻ると「変なことを考えずにやれたのがよかった」と勝因を語った。

 復調気配だった稀勢の里に何もさせなかった。頭で当たってから突いて出て、ひたすら前に出た。左おっつけで回り込む横綱についていき、左喉輪で上体を起こして突き出し。日馬富士を破った2日目に続く今場所2個目、通算3個目の金星だ。勝負を決めた左喉輪については「ビデオを見ないと分からないことが多い」と無我夢中の結果だったことを強調。「どんどん休まずに出たのは覚えている。そのあたりは良かった」とうなずいた。

 兄弟子が休場に追い込まれたことで、福岡県田川市の貴乃花部屋宿舎にはこの日も30人ほどの報道陣が集まり、稽古場に続く入り口の近くまで入ることが禁じられた。そんな周囲の雑音にも「障害はない」と相撲に集中できている。以前は納得のいかない相撲を振り返って引きずることが多かったが、今は気持ちをコントロールできるようになり、次の日の取組に向けてしっかり準備できるようになった。「勝ちたいというスケベ根性を出さず、負けても自分が強くなればいいだけと思えば前向きになる」。やるべきことを全うして結果につなげている。

 貴ノ岩について聞かれると「(詳しい)状況も分からないので、自分から話せることはない。そんな余裕もない」と答えた。ただ、貴ノ岩は貴景勝にとって「いい兄貴分」で、初めて懸賞金をもらった時は3本のうちの1本を貴ノ岩に渡している。「兄貴の分まで」という気持ちは少なからず胸に秘めている。暴行問題の渦中で、兄弟子に喜んでもらえる相撲を取り続けていく。

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