ケンブリッジがNo.1 山県&桐生に勝利!初の五輪出場決めた

[ 2016年6月26日 05:30 ]

ケンブリッジ(左)は山県(左から2人目)、桐生(同3人目)を抑えて優勝

陸上 日本選手権第2日

(6月25日 愛知・パロマ瑞穂スタジアム)
 リオデジャネイロ五輪の代表選考会を兼ねて行われ、男子100メートル決勝はケンブリッジ飛鳥(23=ドーム)が10秒16(向かい風0・3メートル)で大会初制覇した。2位の山県亮太(24=セイコー・ホールディングス)をゴール前でかわし、わずか0秒01差で勝利。五輪初代表も決めた。日本陸連の五輪派遣設定記録(10秒01)を既に満たしていた桐生祥秀(20=東洋大)は10秒31の3位で、初代表決定。山県も2大会連続の代表を確実とした。

 100回大会の100メートルを制したのは、桐生でも山県でもない。ケンブリッジだ。スタートで「若干出遅れた」というマイナス要素は大きなストライドで挽回。後半に絶対の自信を持つ山県をゴール前でかわした。その差はわずか0秒01。10秒16で表彰台の真ん中に立った。

 「60メートルでいけるなと思いました。体が硬くならないようにと思いながら走りました」

 史上最もレベルが高いと言われたレースを制し、彫りの深い表情を崩した。父はジャマイカ人。渋谷でモデルにならないかとスカウトされた経験があるイケメンだ。所属会社・ドームの会長が「9秒台で1億円」とニンジンをぶら下げて注目を集めたが、話題先行ではないことを証明。注目を集めた3強対決を制し「楽しかった。その中で勝つことができて大きいと思う」と胸を張った。

 日大2年冬に、短距離王国の父の母国を訪れた。ウサイン・ボルトが所属する名門クラブ「レーサーズ」に短期留学。ボルトとは同じ空間を過ごせなかったものの、屈強な選手に囲まれて汗を流した。ここで、自身のパワー不足を思い知る。筋肉を付ける必要性を痛感し、所属先であるドーム社でトレーニングを積んだ。現在に至るサクセスストーリーは肉体改造が発露。ひ弱な体は5キロ増の76キロとなり、鋼の肉体へと変化した。左太腿裏痛は慢性化し、大学4年の昨秋は約2カ月の戦線離脱。故障に泣かされた時期もあったが、新社会人となった5月。リオ五輪参加標準記録(10秒16)を突破する自己記録の10秒10を出したのは、地道な取り組みのたまものだ。

 フランスとスペインにまたがる地域の言葉、バスク語の「asukatasuna(アスカタスナ)」は自由という意味を持つ。両親はそこから飛鳥と名付けた。名前の通り、発想もおおらかだ。初の五輪では「ボルトと走ったことはない。多分、もうすぐ引退すると思うので、その前に勝負をしたい」と思いをはせる。かつて差を見せつけられたジャマイカ選手に、一皮むけた姿を見せる。

 ◇男子100メートル
(1)ケンブリッジ飛鳥(ドーム) 10秒16
(2)山県 亮太(セイコーホールディングス) 10秒17
(3)桐生 祥秀(東洋大) 10秒31

[世]ボルト(ジャマイカ) 9秒58
[日]伊東 浩司 10秒00
派遣設定記録 10秒01参加標準記録 10秒16

 ▽男子100メートルリオ五輪への道 個人種目の出場枠は最大3。日本陸連が定めた派遣設定記録の突破者で日本選手権8位以内の最上位は自動的に代表になり、国際陸連の参加標準記録到達者が日本選手権で優勝した場合も代表に決定。日本選手権で派遣設定突破者は8位以内、参加標準到達者は3位以内で代表入りに前進する。あす27日に理事会で選考され、同日に発表される。

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