五郎丸70日ぶり先発で9得点「スタートで出る方が気持ちいい」

[ 2016年5月15日 05:30 ]

ハリケーンズ戦でキックを放つレッズの五郎丸

スーパーラグビー レッズ14―29ハリケーンズ

(5月14日 ウェリントン)
 第12節が行われ、レッズのFB五郎丸歩(30=ヤマハ発動機)は今季2度目の先発出場したが、チームは14―29で敗れた。五郎丸は前半2分の先制PGなど、3PGを決めて9得点を記録した。ボールインプレーでは連係不足などの課題も残ったが、70日ぶりの15番で80分間フル出場。正FBハントが故障中のため、日本のサンウルブズを本拠地ブリスベンに迎える21日の試合では、2戦連続の先発に期待がかかる。

 70日ぶりに先発で出場した五郎丸に、チームの信頼と期待は揺らいでいなかった。前半2分にペナルティーを得ると、PGを任されたのはチーム最多の80得点を挙げているSOマッキンタイアーではなく五郎丸。正面22メートルを難なく決めて先制点。同27分、後半2分にもPG成功で9得点はSR自己最多。「やっぱりスタートで出る方が気持ちいいし、すんなり試合に入っていける」と語った。

 雌伏の時を過ごした。今春に初のオーストラリア代表入りが確実と報じられているハントとのポジション争いは、技術以上に英語によるコミュニケーション不足を首脳陣から指摘され、3月5日のウェスタンフォース戦以外はリザーブ。前節6日のクルセーダーズ戦は初のベンチ外となった。

 それでも海外挑戦1年目を「たくさん失敗してくる」年と位置付けて渡豪した。開幕2戦目で先発したことが、むしろ想定外の早さ。「5月のサンウルブズ戦は先発していたい」と話していただけに、“敵失”で得た先発とはいえ流れは来ている。「久々に15番をつけられたことはうれしいし、感謝したい」。佐賀工時代から15番を付けることが当たり前だった五郎丸が、原点に返ってチャレンジをしている。

 10日に発表された日本代表スコッドにも名を連ね、6月のカナダ、スコットランドとの3試合で再び赤白ジャージーを着る。帰国は6月4日の集合日直前となる見込みで、それまではブリスベンのチーム施設で練習する予定。日本よりもラグビーに集中できる環境で、W杯での輝きに一歩でも近づくように調整する。

 後半3分にはマッキンタイアーとの連係ミスからボールを奪われトライを許すなど課題も残したが「これからだと思う。マッチしてきたというか、いい方向に向かってきている」と前向き。一つ一つ壁を乗り越え、15番を確固たるものにする。

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2016年5月15日のニュース