リオ市長 五輪誘致で環境汚染広げたと間接的に認める

[ 2015年3月24日 15:32 ]

深刻な河川と海洋汚染のリオデジャネイロ・グアナバラ湾(AP)

 ブラジル・リオデジャネイロのパエス市長が23日、同市が抱える深刻な河川と海洋汚染に関して「浄化すべき問題だが、時期を逸してしまった」と発言。開幕まで500日と迫ったリオデジャネイロ五輪の誘致が、環境汚染を広げたことを間接的ながら初めて認めた。

 同五輪は下水道の整備でクリーンな海にするというキャンペーンのもとで招致に成功したが、実際は20年前と変化なし。五輪のインフラ整備に伴う多額の費用と、工事に伴う大量のゴミの増加がネックになって下水道事業は後に回され続けてきた。その結果、五輪のセーリング会場となっているグアナバラ湾の水質が極度に悪化。先月には死んだ魚が大量に海面に浮き、河川から流れ出た汚水とゴミが海面を覆う事態になっている。環境保護の専門家が調査したところ汚染区域はセーリング競技の実施コースにも広がっており、レース中に浮遊物が船体にぶつかる危険性を指摘する声も出てきた。

 23日現在、グアナバラ湾には船から漏れたオイルが浮いており、五輪史上過去に例を見ない最悪の水質汚染が拡大中。パエス市長は選手の健康面への影響については言及しなかったが、五輪がもたらした?環境問題は今後も尾を引きそうだ。

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2015年3月24日のニュース