美里が笑った 金1号!オール一本勝ちで連覇「重みがある」

[ 2014年9月21日 05:30 ]

<女子52キロ級決勝>今大会金メダル1合の中村は、メダルを手に笑顔

仁川アジア大会第2日

(9月20日)
 柔道の女子52キロ級で中村美里(25=三井住友海上)が日本の金メダル1号となった。オール一本勝ちで連覇を達成。2年後のリオデジャネイロ五輪を目指す上で大きな復活優勝となった。シンクロナイズドスイミングのデュエットでは乾友紀子(23=井村シンクロク)三井梨紗子(20=東京シンクロク)組はテクニカルルーティン(TR)が89・6721点、フリールーティン(FR)が91・8667点の合計181・5388点で銀メダルを獲得した。

 試合に勝って笑う。そんな当たり前の行動が、今までは当たり前ではなかった。五輪で金メダルを目指すなら簡単に笑って喜ぶな。そんな父の指導を実践するうちについたあだ名が“笑わない女王”。その中村がこの日はやけに笑っていた。

 「ちょっとずつ笑顔を出せるようになってきました。理由は分からないけど…、充実してできていると思います」。柔道では五輪や世界選手権に比べて一段落ちるアジア大会。それでも中村は表彰台の上で写真撮影の場面で笑顔を見せた。

 今大会の勝ち上がり方が特別に満足だったわけではないだろう。1回戦は北朝鮮選手の失格で不戦勝。ロンドン五輪では同じ北朝鮮のアン・グムエに初戦で敗れただけに「人は違うけどロンドンの悔しさをぶつけたかった」と雪辱できずに残念がった。決勝は得意の小外刈りで貫禄の一本勝ち。「得意技を出せて良かった」と語ったものの「他の2試合は反省も残る」と厳しく評価した。

 それでも中村が笑えるのは、この2年間の道のりのおかげだ。「北京で負けてから全てを懸けてきた」というロンドン五輪を不本意な形で終え、同年12月に左膝前十字じん帯再建手術を受けた。リハビリする中で知り合ったのはサッカーやソフトボール、スキーなど他競技の選手。「カバディも見に行った」と見聞を広め「凄くプラスになっている。いろんな考え方を聞けるので成長できた」。交友関係のみならず自家菜園やパン作り、日曜大工にまで取り組んで視野は大きく広がった。

 4年前と同じアジア大会のタイトル。しかし「前回とは違う。重みがある。手術を乗り越えて今があるから」という。大腿部の腱を移植し、踏ん張りが利くようになった左膝の強さ。まだ完全ではない組み手や技のスピード。「一つ一つ勝っていってリオにつながればいい」。笑えるようになった女王は2年後に向けて代表戦線に戻ってきた。 

 ◆中村 美里(なかむら・みさと)1989年(平元)4月28日、東京都八王子市生まれ。小3から柔道を始め、小5から名門「相武館吉田道場」入り。相原中から渋谷教育渋谷高を経て三井住友海上に入社。16歳だった05年福岡国際48キロ級で、当時の世界女王ベルモイを破って優勝。「YAWARA2世」と呼ばれる。07年秋に階級を上げ、08年北京五輪の銅メダルで平成生まれ初のメダリストに。09、11年世界選手権優勝。1メートル57。

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