松山 6バーディー、ノーボギー!36位から一気首位

[ 2014年5月26日 05:30 ]

9番でボールの行方を見つめる松山

USPGAツアークラウンプラザ招待第3日

(5月24日 米テキサス州フォートワース・コロニアルCC=7204ヤード、パー70)
 眠っていた怪物が目を覚ました。36位から出た松山英樹(22=LEXUS)は6バーディー、ボギーなしの64をマークし、通算7アンダーの203でデービッド・トムズ(47=米国)ら3人と並び首位に浮上した。松山が米ツアーで首位に立つのはこれが初めて。米ツアー本格参戦1年目のルーキーは青木功、丸山茂樹、今田竜二に続く日本人4人目の優勝に挑む。

 これが松山の底力だ。叩き出した64は米ツアーでの自己最少スコア。悲願の米ツアー初優勝を目前にし、「パットが入っているのでショットのリズムも良くなった。ノーボギーは大きい」と満足そうにうなずいた。

 3番のパーセーブで流れを引き寄せた。第2打がグリーンを大きくオーバー。奥からの難しい寄せをうまくグリーンの土手に当て、1メートルにつけてパーを拾った。ピンチをしのいで勢いづくと、4番は5メートル、5番は8メートルを沈めて連続バーディー。後半に入っても流れは止まらず、16番パー3では「この日一番」という8Iでの第1打がピン1メートルにぴたり。パーオン率は77・78%と好調で、前日は苦戦したパットもこの日は「ストロークがよくなっている」と手応え。好感触は26パットという数字にしっかり表れた。

 2月のフェニックス・オープンは首位と3打差の3位から最終ラウンドをスタートさせたが、「パターが入らなかった」と狂いが生じて4位に終わった。それだけに、「久しぶりの優勝争い。わくわくするが、不安の方が大きい」と本音も吐露する。だが、今回は完全復活を印象付ける好機だ。左手首痛の影響もあり、4月のマスターズは米ツアーでは自身初の予選落ちに終わった。しかし、連戦を避けて出場試合を慎重に選んだことで次第に復調。3月まで在籍した東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督にも「体は大丈夫」と話し、体調面の不安は振り払った。

 3打差までに24人がひしめく大混戦だが、「一ついいショットが出ればきっと不安は消える。今の自分のパッティングが通用するか。凄く楽しみ」と松山。不安と期待を抱きながら、22歳の怪物は勝負の1番ティーグラウンドに立つ。

 ▽クラウンプラザ招待 今年で67回目を迎える歴史ある大会。舞台は米テキサス州フォートワースのコロニアルCCで、46年の第1回大会から変わっていない。1番のティーグラウンド脇にはウオール・オブ・チャンピオンと呼ばれる壁があり、歴代優勝者の名前が刻まれている。

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