赤羽 引退レースで日本人トップ2位!今後は子育てに全力

[ 2014年1月27日 05:30 ]

現役最後のレースを日本勢最高となる2位でゴールした赤羽

大阪国際女子マラソン

(1月26日 長居陸上競技場発着の42・195キロ)
 今秋のアジア大会(韓国・仁川)代表選考会を兼ねて行われ、引退レースとなったママさんランナーの赤羽有紀子(34=ホクレン)が中盤で先頭に躍り出る力走を見せ、2時間26分0秒で日本人トップの2位で有終の美を飾った。マラソン初挑戦の前田彩里(22=佛教大)が後半に追い上げて4位と健闘。タチアナ・ガメラシュミルコ(30=ウクライナ)が2時間24分37秒で2連覇を達成した。

 両手を広げ、晴れ晴れとした表情でゴールテープを切った。37キロ付近でスパートした前年覇者ガメラシュミルコに離され、2番手で戻ってきた競技場。赤羽はサングラスを外し、手を上げて声援に応えた。マラソン初出場(09年)と初優勝(11年)を経験した大会でのラストラン。「思い切り楽しめた。ずっとニコニコしながら走れたのがよかった。やりきった感じです」。完全燃焼の力走に声まで弾んだ。

 序盤のハイペースに対応して終始、先頭集団で奮闘できたのは家族の支えがあったから。5キロごとの給水ポイントでボトルに貼った愛娘・優苗(ゆうな)さん(7)の写真に元気をもらった。先頭のヤジンスカを追っていた31キロ付近、夫の周平コーチ(34)に沿道から「まだいける!」と励まされた。33キロ付近からは前年覇者と一騎打ち。「最後のレースで失うものはない」と歯を食いしばり、デッドヒートを展開した。

 健在を示しても引退の意志は固い。「体力的に限界とは思いません。でも次の目標をオリンピックにするとは考えられなかった。(引退は)このタイミングがベスト」。夫とは城西大で知り合い、05年に結婚。長距離2種目で08年北京五輪に出場するなど競技生活をともにしてきた。「ぶつかることもあったけど一緒にオリンピックに出場し、(11年)世界選手権で5位入賞もできた。幸せです」と目を潤ませた。

 今後は指導者にはならず子育てに専念するそうだが未来への楽しみもある。娘が地域の長距離走大会で優勝。「私は正直、苦しさを味わったので…娘にマラソンランナーになってほしいとは思えません。でも本人が“やりたい”と思うのなら全力で応援します」。ランナーとしては第一線を退いても、ママさんとして最高の存在であり続けることを誓った。

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2014年1月27日のニュース