鶴竜 本割で白鵬撃破!価値ある14勝、綱へ春こそV

[ 2014年1月27日 05:30 ]

結びの一番で白鵬(左)を破る鶴竜

大相撲初場所千秋楽

(1月26日 両国国技館)
 横綱を向こうに回して優勝決定戦まで持ち込んだ。だが、初優勝には届かなかった。鶴竜は左を巻き替えにいったが、白鵬にも左を差され左四つで胸が合った。こうなれば勝機はなかった。右上手を引きつけられ万事休した。

 支度部屋では「もうタメ息しか出ない」とうつろな表情。足りなかった部分を問われても「今は、ちょっと考えられない」とぼう然。少し落ち着くと「これで悔しくなければ相撲をやめた方がいい」と言い切った。

 本割では存在感を示した。初の千秋楽結びの一番。今まで見せたことのない鬼気迫る形相で、仕切りから白鵬をにらみつけた。視線と同様に鋭い立ち合い。右を差した後にいったん離れると張り手を浴びせられたが、ひるまずに踏み込んだ。もろ差しになると休まず前に出て寄り倒し。過去2勝30敗の相手から気迫で勝利を奪った。「もう一度同じ相撲を取ろうと思った」という優勝決定戦で敗れたが、最後の最後まで場所を盛り上げた。

 初日に敗れたが、2日目から14連勝。北の湖理事長は「優勝同点ということを考えないといけない」と今場所の成績が“優勝に準ずる”との認識で、来場所は綱獲りとなる。ただし、大関になってからの11場所で10勝未満は7場所だけに、同理事長は「ラインは13勝以上。今までの成績を考えると優勝しかない」と話した。伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)は「優勝しないと(横綱昇進の)話がしやすくならない」と強調。鏡山審判部長(元関脇・多賀竜)は「来場所もいい相撲を取ってほしい。そうなったら(綱獲りの)話が出るかもしれない」と話すにとどめた。

 鶴竜は綱獲りについて「一生懸命頑張ります」と、力強く決意表明して帰路に就いた。待ち構えているのは高いハードル。優勝を逃した悔しさに浸っている暇はない。

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