沙羅 また2位…1本目トップも失速、まさかの連敗

[ 2014年1月27日 05:30 ]

2位に終わり、悔しそうな表情の高梨

ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人第11戦

(1月26日 スロベニア・プラニツァ=HS104メートル、K点95メートル)
 前日2位に終わった高梨沙羅(17=クラレ)がまたもや敗れた。1回目は101・5メートルを飛んでトップに立ったが、2回目は98・5メートルにとどまって合計246・8点。1回目に最長不倒の102・5メートルをマークし、2回目も101・5メートルを飛んだダニエラ・イラシュコ(30=オーストリア)に2日続けて敗れた。イラシュコは通算5勝目。高梨と同じくソチ五輪代表の伊藤有希(19=土屋ホーム)が4位、山田優梨菜(17=白馬高)は2回目に進めなかった。

 最強街道を突き進んできた高梨がまさかの連敗を喫した。前日は合計で12・2点、距離にして6メートル以上の大差をつけられた完敗だった。この日は合計で3点、距離にして1・5メートルのわずかな差ではあったが、再びイラシュコの前に苦杯をなめた。

 1回目は会心のジャンプだった。ヒルサイズまで2・5メートルに迫る飛躍を決めると、珍しく両手を突き上げてガッツポーズを見せた。「内容は良かった。今できることはした」。前日の個人第10戦では踏み切りでミスをして2位に終わったが、この日は試技から102・5メートルの大ジャンプで修正能力の高さを示していた。無駄の少ない飛び出しで空を舞い、終盤は緩い向かい風を受けて伸びた。着地も決まって飛型点は2人の審判員が19点をつけるほどの完成度だった。高梨より風の条件が良い中で飛んだイラシュコに飛距離では1メートル劣ったものの、得点で上回ってトップに立った。

 ところが、2回目に伸び悩んだ。直前のイラシュコが101・5メートルと1回目に続く好ジャンプを見せた。それがプレッシャーにもなったのか、最後のひと伸びを得られずに98・5メートル。逆転を許し「2回目は踏み切りのタイミングが遅れてしまった。そこが残念。今回はなかなかこのジャンプ台に対応できなかった」と振り返った。

 夏から着地の課題を修正し今季は開幕から着実に勝利を積み重ねてきた。順風満帆の道のりに見えたが、周囲の選手も調子を上げてきた。特にイラシュコは女子の国際大会が始まった99年から参戦している大ベテラン。五輪に懸ける思いは並々ならぬものがあるはずだ。ライバル不在の戦いが続いてきた高梨だが金メダルへの道はやはり平たんではない。

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2014年1月27日のニュース