白鵬 1敗キープで盤石の27度目V王手!

[ 2013年9月28日 06:00 ]

白鵬(左)は、鶴竜を押し出しで破る 

大相撲秋場所13日目

(9月27日 両国国技館)
 横綱・白鵬が大関・鶴竜を危なげなく押し出しで退け、1敗をキープした。1差で追っていた大関・稀勢の里は豪栄道に敗れて3敗目。14日目に白鵬が稀勢の里を下せば、4場所連続27度目の優勝が決まる。横綱・日馬富士は大関・琴奨菊に敗れ4敗目。優勝の可能性が消滅した。新入幕の遠藤は初めて後半戦の土俵に登場。小結・栃煌山に挑戦したが、すくい投げに屈して4敗となった。
【13日目取組結果】

 目の前でライバルの稀勢の里が敗れても、数々の修羅場を切り抜けた男に心の乱れはなかった。何事もなかったかのように土俵に上がって、流れるような相撲で鶴竜を一蹴。勝ち名乗りを受ける際には、ふぅーと息をつきながら懸賞の束を受け取り、支度部屋でも「(稀勢の里が負けて)引き締めていった」と淡々と振り返った。

 立った瞬間に、勝負は決まった。右を差して寄りながら左上手をがっちりと引く。なんとか逃れようと、鶴竜は苦し紛れに体を1回転したが、白鵬は落ち着いて目の前の相手の背中を押した。2差に開いたこともあり「あのへん(1回転)に、鶴竜のうまさがあったと思いますけどね」と相手を称える余裕もあった。

 それでも、ここ数日は張り詰めた空気が漂っていた。前日の朝稽古後はノーコメント。そして、この日の朝稽古では報道陣を外に出し、今場所初めて非公開とした。場所中は軽めの調整が多いが、部屋の中から稽古相手と思われる十両・大喜鵬の苦しそうな声が漏れ、厳しい稽古内容が想像された。師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)は「気合が入っていた。こんなのは久しぶり」と稽古の様子を説明。取組前もいつもよりも多く立ち合いを確認し、てっぽうも普段より大きな音を響かせた。

 稀勢の里に勝てば27度目の優勝が決まるが、連勝を止められた先場所のリベンジも忘れていない。「あす(14日目)いい相撲を取って決めたい」と力強く勝利宣言した。

 勝てば、千秋楽前の優勝決定回数が朝青龍に並ぶ史上2位の「14」となる。毎度の独走態勢に北の湖理事長(元横綱)も「白鵬が逃げ切り態勢。(千秋楽の)優勝決定戦までは、いかないですよ」と予想。決戦の興味は薄れてしまったが、これが現実なのだ。

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2013年9月28日のニュース