錦織 16強ならず、力尽く…3時間超フルセット逆転負け

[ 2013年6月30日 06:00 ]

男子シングルス3回戦でセッピに敗れた錦織

ウィンブルドン選手権第6日

(6月29日 英ロンドン・オール・イングランド・クラブ)
 男子シングルス3回戦で、第12シードの錦織圭(23=日清食品)は第23シードのアンドレアス・セッピ(29=イタリア)に6―3、2―6、7―6、1―6、4―6で逆転負けした。初の4回戦進出を逃し、全豪、全仏に続く16強入りはならなかった。疲労の影響もあり、相手の切れのあるサーブと強打に対してミスが目立った。

 最後は抵抗する力も残っていなかった。必死にラケットを伸ばしたリターンはあえなくネットに。ラブゲームでサービスをキープされ、錦織の5度目のウィンブルドンは幕を閉じた。

 「気持ち的に守り気味になって、積極的に前にも出られなかった」。第1セットは打ち勝っていたが、第2セットになるとセッピのプレーのギアが一段上がった。強烈なフォアを次々と打ち込まれ主導権を奪われた。第3セットはタイブレークも含めて50分。どうにか奪ったものの、肉体的には限界が近づいていた。

 「左膝と足首が痛くて、試合前はリタイアするかもと思っていた。試合ができるかも分からなかった」。球の弾まない芝コートでは膝を折り、低い体勢を保つ必要がある。クレーコートのように足を滑らせることもできないため、細かいステップで瞬間的にブレーキを踏む。その負担が膝や腰へと蓄積していた。

 メンタルとともに衰えていくフィジカル。「腰が浮いてきたのは分かったけど直せなかった。そこを狙われた」。フォアハンドでのアンフォーストエラー(凡ミス)は、バックハンドの6本に対して31本。序盤はコーナーに決まっていたショットが次々にサイドラインを割った。

 勝負を懸けた最終セットの前には、腰に違和感を覚えてメディカルタイムアウトも要求した。一方のセッピは今大会の1回戦を含め、第5セットまでもつれ込んだ試合では今季これまで6戦無敗だった。その粘り強さに打ち勝つタフネスは錦織にはなかった。

 「ぎりぎりの戦いだったので悔しい。自分のランキングも実力も上がってきている中で、もう少し勝ち上がりたかった」。自己最高の第12シード、世界ランクも自己最高で迎えた今大会。だが、全豪、全仏に続く4回戦にも手が届かなかった。

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