松山 ベストタイ67!日本人最年少トップ10で来年出場権

[ 2013年6月18日 06:00 ]

11番、バーディーパットを沈めガッツポーズ

USPGAツアー全米オープン最終日

(6月16日 米ペンシルベニア州アードモア・メリオンGC=6996ヤード、パー70)
 怪物ルーキー松山英樹(21=東北福祉大)がまた歴史を塗り替えた。切れのあるショットを武器に6バーディー、3ボギーで大会ベストスコアに並ぶ67をマーク。39位から10位に食い込み、来年の出場権を獲得した。21歳111日での海外メジャートップ10入りは日本人最年少記録。70で回ったジャスティン・ローズ(32=英国)が通算1オーバーでメジャー初優勝した。

 世界が見えた。「難しいことだと分かっているが、このゴルフを続ければメジャーで優勝争いに絡める」。松山は確かな手応えを口にした。

 「昨日終わった後の練習から良い感じで振れていた」というショットの切れが抜群だった。フェアウエーを外したのは2ホールだけ。パーオン率78%は全体の2位。7番はフェアウエーから高い弾道の第2打を1メートルに付けてバーディー。10番の第2打は43ヤードから50センチに寄せた。次々とピンに絡むショットを見せた。

 前日不調だったパットの感覚も戻った。1番でパーパットを2メートルオーバーさせたが「(グリーンが)速いのかなと思って」とすぐに修正した。11番では大きく曲がる下り10メートルのフックラインを沈めてガッツポーズ。12番でも5メートルを放り込んで3連続バーディーにつなげた。パット数は29で今大会初めて30を切った。

 前日まで3日間で4つしかなかったバーディーがこの日だけで6つ。背景には心理的な変化があった。同組で回った前年覇者シンプソン、今大会4位のホーシェルの攻撃的なプレーを見て「ピンを攻めないと、メジャーでは勝てないし、上位にもいけない」と慎重なゴルフから方向転換した。

 この日の平均スコア74・055を7打以上上回る今大会ベストの67を出し、目の肥えたギャラリーを魅了。終盤は「ヒデキ!」と名前を呼ばれるようになり「いいプレーをすると知らない選手でも応援してくれる。こういう舞台で活躍して声援をもらえるようになりたい」と目標のメジャー制覇への思いを強くした。

 10位は3度目のメジャーで最高。全米オープン初出場の日本人としても最高順位。海外メジャートップ10入りの日本人最年少記録も更新した。それでも「優勝争いの中なら同じプレーができたかどうか分からない」と浮かれることはない。「今のままのショートゲーム(の技術)じゃ太刀打ちできない」と課題も見つけた。数々の快挙もこの男にとっては通過点にすぎない。

【記録アラカルト】

 ☆全米オープンのトップ10 日本人では80年青木功の2位、04年丸山茂樹の4位、89年尾崎将司の6位、87年中嶋常幸の9位に次いで5人目。21歳111日での達成は日本人最年少。

 ☆全米オープン初出場の日本人最高成績 初出場の日本人としては87年尾崎将司の17位が過去最高だった。初出場でトップ10入りは初。

 ☆海外メジャーの日本人最年少トップ10 松山は76年全英オープンで10位に入った鈴木規夫の24歳272日の日本人最年少記録を更新した。過去のメジャーではマスターズで4人(5回)、全英オープンで7人(10回)、全米プロで3人(4回)がトップ10入りしている。

 ◆賞金加算 日本ゴルフツアー機構は全米オープンで10位となった松山の日本ツアー獲得賞金額が、8861万9907円になったと発表した。既にトップに立っていたが、賞金16万8530ドル(約1467万円)が規定のレートで換算、加算された。2位金亨成(韓国)との差は約4940万円。

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